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第86期 部門長からのメッセージ


第86期
流体工学部門長
(株)荏原総合研究所
後藤 彰

 機械学会第86期(2008年度)の流体工学部門長を務めます,荏原総合研究所の後藤彰です.2007年度末の流体工学部門の登録者数は6740名であり(第1位から第3位までの登録者),機械学会の20部門の中で最大です.そのような機械学会の基幹的部門の舵取りを,部門運営委員33名,各種委員会および部門登録者各位のご協力の下に進めることとなり,その責任の重さを改めて感じています.第85期井小萩部門長の後を受けての重責ですが,特に産業界からの部門長は9年振りであり,産業界および学界の皆さんにとって魅了あふれる部門を目指し,微力ながら貢献できればと考えております.

 企業間競争の激化や2007年問題に代表される技術伝承の問題は,産業界における研究・開発のあり方に転機をもたらしており,また,国立大学等の独立行政法人化や重点4分野(ライフサイエンス,情報通信,環境,ナノテクノロジー・材料)への科学技術予算の傾斜配分などからも,学界における研究や産学官連携の新しい姿が求められていると感じます.私事で恐縮ですが,かつて大先輩から,「目に見える全ての人工物は機械工学で作られている.高い志を持って取組むべき!」といった激励を頂いたことがあります.環境やエネルギー,水,食料など,地球規模の難題が山積する中,産学官の知恵を集め何らかの形でこうした課題の改善に貢献したいというのが,本学会員の素直な気持ちではないでしょうか.特に「流体」分野は,様々な産業および学術分野で重要な役割を担う科学技術分野であり,社会に役立つ「もの造り」や「価値作り」への貢献が大いに期待されていると思います.

 こうした背景から,学会活動を基点とした,産業界と学界,そして官界との連携によるブレークスルーを大いに期待したいところですが,その道のりは決して順風満帆とは言えないのではないでしょうか.例えば,部門活動の大きな柱である部門講演会への参加者数は部門登録者の5〜9%で推移しており,産業界からの参加者は,さらにその10%前後となっています.また,会員構成の中核である30歳代後半から50歳代の会員の65%は産業界所属ですが,流体工学部門の企画・運営に関わる産業界委員の比率は,過去3年間とも25%に満たず,魅力的な部門を実現する上で部門登録者の声を十分に吸い上げられているか,大いに危機感をもっています.

 部門のさらなる活性化の鍵は,@研究会・分科会,A講演会,B講習会,C論文集や英文ジャーナルなどの,いわゆる部門活動の本手の強化と,電子媒体を用いた効果的な広報活動にあると思います.しかし,これらを基点とした部門の活性化が自発的に生まれることだけに期待するのではなく,産学官連携や新しい学際領域の創出といった切り口での仕掛けを意図的に作りこんでいくことが必要ではないかと考えています.産学ともに変革期にあるがゆえ皆さん多忙でゆとりが無く,なかなか難しい側面もありますが,部門の運営側がビジョンをもって皆さんの背中を押して,「物造り」や「価値作り」につながる研究会や分科会をご提案頂くことも必要だと考えます.

 部門長の任期は1年ですので,その期間だけで実施できることは大変限られています.一方,部門運営へ参画頂く産業界委員を増大させるには,多年度にまたがる継続的な誘導が必要です.そこで,今期は,これまで以上に,中期的な視点での継続性ある部門運営を目指したいと考えています.会員増大に関しましては,幸い,2001年度から始めた会員委員会などの活動で,各種アンケート調査の実施などに基づく多くの提言も頂いています.今期は,これら提言の優先度を精査した上で,一つでも二つでも実現に向けて行動することで,産学官連携にも貢献できる,魅力的な部門運営を目指したいと考えております.今期も部門委員長・幹事会が5回ほど開催されますので,以上のような議論を行って今後の運営方針を明確化し,また会員の皆様方からもご支援・ご協力を頂戴して進みたいと考えますので,よろしくお願い申し上げます.

 最後になりますが,委員会体制と致しましては,小森 悟副部門長(京都大学),古川雅人技術委員長(九州大学),平原裕行総務委員長(埼玉大学),岡 新一広報委員長(C&I),梶島岳夫部門英文ジャーナル編集委員長(大阪大学),さらに技術委員会における4つのワーキンググループ(WG)では,宮地英生講演会WG長(ケー・ジー・ティー),河合理文講習会WG長(IHI),大島伸行学術表彰WG長(北海道大学),加藤千幸編集・企画WG長(東京大学)のご協力を得て進めてまいります.なお,今期の学術講演会企画と致しましては,年次大会(8月3日〜7日@横浜国立大学)と,部門講演会を兼ねる第7回日韓熱流体工学会議(10月13日〜16日@北海道立道民活動センター)が開催されます.また,昨年度の部門企画の講習会は大変好評でしたが,今年度も引続き興味深い企画がございますので,ふるってご参加,ご勧誘ください.

 以上をもって就任のご挨拶とさせていただきます.改めて,皆様のご支援,ご協力をよろしくお願い申し上げます.

 

日本機械学会第86期流体工学部門部門長 後藤 彰

更新日:2008.5.29