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下敷きを素早く引き上げる

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どんな実験?

実験手順と種あかし

  • 前回、テーブルに置いた下敷きを引き上げようとするとき、大きな力でもはがれないことを実験しました(「テーブルに下敷きを貼りつける」)。
  • 今回は、ティッシュペーパーの上に下敷きをそっと置いてみます。
  • まず、下敷きをゆっくり引き上げてみると、非常に小さな力で簡単にはがれます。ティッシュペーパーがない場合と比べて、ティッシュペーパーの表面が凸凹しているので下敷き(あるいはテーブル)と直接接触する面積はほんのわずかとなります。接触していない空洞部分は大気圧ですので、小さな力で引き上げることができるのです。
  • 次に下敷きを素早く引き上げると、一瞬だけですが、非常に大きな力に耐えることができます。
  • 引き上げるときにすきまを空気が流れ込みます。流れは下敷き(あるいはテーブル)とティッシュペーパーから粘性摩擦を受けて、これに逆らって流れるために下流側(下敷きの中心付近)で圧力が下がります(パイプ内の流れと同じ原理「太い管と細い管」)。加えて、すきま部分の空気を加速させるために中心付近の圧力はさらに小さくなります。この結果、中心付近が低圧、外側に近い所はほぼ大気圧となって、この低圧部によって大きな力が発生するのです。粘性摩擦による影響は速度に依存し、加速による影響は引き上げる加速度に依存します。これらによって素早く動かそうとするときほどより大きな力となります。
  • 単純に「すきまの流れが速いのでベルヌーイの定理によってすきまの圧力が小さい」とするのは間違いです。あるいは「下敷きの上面が大気圧で押されている」ことだけを理由にするのも間違いです。
【注意】
  • 大気圧がはたらいている物体にはたらく力を考えるときは、表だけ(片側だけ)ではなく必ずその裏側(反対側の)の圧力も考慮してください。本実験では、高速ですきまを拡げようとするときに下敷き下面側の中心付近に低圧部ができることが原因となります。単純に「上面が大気圧で押されているから」という理由だけでは引き上げる速度によって力の大きさが変わることは説明できません。
【キーワード】 すきまの流れ、粘性摩擦、付加質量
【関連項目】

テーブルに下敷きを貼りつけるゆっくり落ちるボール太い管と細い管

【参考】

石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P180−181.

日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P182−185、P198−203.
更新日:2015.12.1