割りばしを折る
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 割りばしをテーブルの端から少し出して置きます。はじめに新聞紙をかぶせずに棒でたたくと割りばしは折れませんでした。
- 次に、新聞紙をかぶせてすきまがないように上から押してから棒でたたくと割りばしが折れました。
- この原理を「新聞紙の上面に大気圧がかかっていること」だけを理由にしている説明をよく見かけますが、これは正しくありません。新聞紙をすきまができないようにきちんとかぶせたとしても新聞紙の下面側は大気圧のままです。割りばしを棒でたたいた瞬間に下面側の圧力が下がることを説明しなければいけません。(本動画では新聞紙とテーブルとのすきまが残っていても割りばしが折れることを実証しています。)
- 棒でたたいた瞬間、新聞紙とテーブルとの間にすきまができ、ここへ周囲から空気が流入します。すきまを流れる空気には粘性抵抗がブレーキとしてかかり、新聞紙の下側では外部に接する所で大気圧、割りばしに近い所で低圧になるという圧力差が発生します。また、すきまの空気を加速させることもこの圧力差を大きくします。このようにしてできた低圧部によって新聞紙がめくれにくくなっているのです。
- 新聞紙の上面側でも周囲の流体を加速させるため上面の空気圧を大きくするはたらきがあり、さらに新聞紙をめくれにくくしています(付加質量「空手の達人」)。
- つまり新聞紙とテーブルとの「すきま流れの粘性摩擦」と新聞紙の周囲(上面、下面とも)の空気を「加速」させることから新聞紙の動きを遅くして割りばしが折れたのです。
【注意】 |
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【キーワード】 | すきまの流れ、粘性摩擦、付加質量 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P180-181. 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P182-185、P198-203. |
更新日:2015.12.1