ゆっくり沈むカップ
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- おかず入れやカップケーキを作るときに使うアルミ製のカップを水に沈めます。
- 空気中で落下させるとき(ゆっくり落ちるカップ)と比べて非常にゆっくりと沈んでいきます。これは、水の密度が空気の密度の800倍以上も大きく、仮に同じ速さで運動した場合は800倍以上の抵抗になることが最大の原因です。実際には、空気中と同じ速さに達する前にブレーキがかかってしまい、すぐに終端速度になってしまいます。
- 水中ではまわりの水から浮力(上向き)がはたらき、これが沈む速さをさらに遅くしています。空気中で落下させる場合も空気から浮力がはたらいているのですが、通常このときの浮力は物体にはたらく重力に比べて非常に小さく、その影響は無視できます。
- この実験では、水中で水の抵抗を実験していますが、空気中で空気抵抗がはたらく原理も同じです。流体力学では、空気抵抗と水の抵抗を原理的に区別することはなく、液体や気体の流れからはたらく抵抗(流れの方向にはたらく力)を総称して「抗力」といいます。
- カップをななめに傾けて手を離すと、カップの側面で流れの向きを変えるときにカップを水平に戻す向きの力がはたらき、やがてカップは水平になって沈んでいきます。
【キーワード】 | 水の抵抗、終端速度 |
【関連項目】 | ゆっくり落ちるカップ |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P136-139. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P66-69. 石綿良三「流体力学入門」森北出版、P123-124. |
更新日:2015.6.1