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第4回日米流体工学会議参加報告

山本 恭史(関西大学)

 2003年7月6日〜10日,ハワイ・ホノルルのワイキキシェラトンホテルにて 4th ASME・JSME Joint Fluids Engineering Conference が開催された.

  最近の会議では全ての書類は電子化されており印刷物が何も送られてこないので,Web上で自分で確認しておかないと,ついついプログラムなどを印刷して持ってくるのを忘れ,現地に着いてから何時に始まるのだったかと不安になることが続いている.今回は私の母校である大阪大学の田中先生,川口先生とご一緒することになっていたので,誰か知っているだろうとかなり安心し,やはりプログラムを印刷していくのを忘れてしまった.ハワイへは会議前日の午前中に到着する飛行機で行ったので,プログラムのことはひとまず忘れ,まずは観光を楽しんだ.バスに乗ってカメハメハ大王の像を見に行ったり (写真1),海洋博物館でポリネシア人の優れた航海術と歴史を学んだりした.信号のない広い自動車道を全力疾走で渡り切るT先生の元気さにはあらためて恐れ入った.


写真1.カメハメハ大王像の前で,左から大阪大学川口先生,同田中先生,私

 会議は6つのplenary,17のシンポジウム,22のフォーラム,その他で構成され,論文数は700以上という大規模なものであった.
まずはplenaryから始まったが,話を聞くよりも,ノートPCを貸してあげると約束していた立命館の学生を探して,ファイルをコピーするのに苦労した.私が以前お世話になっていた立命館大学のWells研究室の学生二人はその次のセッションの同じ時間に別の部屋で発表することになっていたのだ.私自身は「Optical Methods and Image Processing in Fluid Flow Measurement」をメインに参加する予定であり,その一人はそのセッションでの発表だったので,そのシンポジウムの部屋に行った.最初は北海道大学村井先生のキーノートで始まったが,プロジェクタが数回にわたって突然消えるというトラブルのため,時間が少し後にずれた.そのため,もう一人の学生の発表を見ることが出来るようになり,そちらのセッションに移動した.そのセッションはFLUENTがスポンサーの「Student Paper Contest」であった.それは事前審査により8人に絞られた学生達が参加費用$1000の援助を受け,さらに金($500)・銀($300)・銅($200)の賞を競うものであった.私の知り合いの学生の発表が終わり質疑の時間になった時,JSME Co-chairである私の恩師辻先生から学生向けの質問がなされた.残念ながらその学生はうまく答えることが出来ず,私の名前を出してしまったので,ついつい学生コンテストであることを忘れた私がつたない英語で答えてしまった.そんな風にして私の会議参加は始まった.
  2日目私は午前のセッションで発表だった.前の晩ホテルの部屋でビールをたらふく飲んでから練習した時は完璧だと思っていたが,実際のプレゼンテーションはあまり上手に出来なかった.なおかつ時間が押してしまって質問が全くなかった.誰からも質問がないので誰も自分の研究成果に興味がないのかと落ち込んだ.たまたま僕の発表を聞きに来ていたT先生とその後のLunchonで一緒になったので,「私の研究は面白くないのでしょうか?」と訊ねたところ,「そうちゃう」と軽くあしらわれ,さらに落ち込んだ.おまけに昨晩飲み過ぎたビールが私の胃腸を不調にし,Lunchon中に朝から4回目のトイレに向かう羽目になった.
  そんなこんなでLunchonで何が行われていたのかほとんど把握していなかったが,学生コンテストの表彰が行われ,東京大学の篠原君が金賞を獲得したことだけ覚えている (写真2).


写真2.東京大学篠原君(左)の学生コンテスト金賞受賞の瞬間

篠原君とは前の晩のレセプションの席で,彼の先輩である現山口大学の佐伯先生とご一緒している時に会っていた.私をはさんだお二人は,片方がとても修士1年の学生とは思えない知的で難しいお話をされていたので,私は会話に参加出来ずまた落ち込んだ.
とりあえず,自分の発表が終わったので気が楽になった.セッションの部屋を一歩出るとそこには,青い空と青い海が広がっている (写真3).



写真3.会議室を一歩出たところからの眺め

Lunchonの終わり頃に辻先生が私のところに来られてこの原稿を依頼された.そのため,青い海と白い波の激しい誘いに抗って,会議に参加しつづけなければならなくなった.私の専門は学生時代から固気混相乱流の数値シミュレーション,その後固液および単相乱流のPIV計測と数値シミュレーション,その後はPIVの開発と続き,今の興味は気液二相流の数値シミュレーションであるため,この流体工学会議のほぼ全てのセッションが研究に関連してくる.たとえば,Optical Methods and Image Processing in Fluid Flow Measurementを筆頭に,Gas-Liquid Two-Phase Flows,Gas-Particle Flows,Cavitation Inception,Microbubble and Polymer Friction Drag Reduction,Modeling and Simulation of Turbulent Flows,Advances in Free Surface and Interface Fluid Dynamics,Cavitation and Multiphase Flow 等である.37以上のセッションが混相流に関するもの,17以上のセッションがCFDに関するものと,とにかく混相流とCFDが大流行であった.PCは持って行っていたもののCD-ROMドライブを持って行くのを忘れた私は,プログラムにあるタイトルだけを頼りにどの講演を聞きに行くかを決めねばならなかった.15室で並列に行われるので,きつかった.しかし,最近の私は可視化系の会議への参加が多く,広く流体を扱った会議への参加が久しぶりであったので,界面を含むシミュレーションなどの講演が大変興味深く,大いに参考になった.これからは落ち込まずにすむように面白い研究に精進しようと心に誓った.

  最終日の講演はお昼過ぎまでで,最後に来年の会議のイントロダクションがあったようであるが,青い海の誘惑には抗し切れなかった.

  終始個人的なお粗末話になってしまいましたが,これで私の第4回日米流体工学会議への参加報告とさせていただきます.

更新日:2003.8.18