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Home > 活動内容 > 活動報告 > 2011年度報告記事一覧 > No.10-142 講習会 基礎から学ぶプラズマ工学

No. 11-30 講習会 CFDの基礎とノウハウ
(流体工学部門・熱工学部門合同企画)

担当:遠藤 誉英(東京電力)

開催日:2011年5月20日(金)
会 場:日本機械学会会議室
〒160-0016東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館5階

 本講習会は,設計や予備試験のツールとして広く使われているCFD を題材として,様々な離散化法・スキーム・物理モデルの中から,着目している現象に対する適切な選択をユーザが行う際の指針を与えることを主な目的としました. 同タイトルの講習会はこれまで2008年1月より計3回,東京及び大阪で開催され,それぞれ多数の方にご参加頂きました.

  今回は熱工学部門との合同企画として開催しましたが,51名の参加(内学生7名)があり,主に若手(20代および30代)の企業研究者や設計者の関心が高かったことが窺えました.講義はCFD分野の第一人者の4人の先生方にお願いいたしましたが,各講義とも参加者からの活発な質疑がありました.さらに,広く使用されているCFDソフトウェアのベンダー5社に機器展示や,各ソフトウェアの紹介ショート・プレゼンテーションをして頂き,参加者のソフトウェア選択の参考にして頂きました.

 当日のプログラムは以下の通りです.

9:20 9:30   挨拶・諸説明  能見 基彦(荏原製作所)

9:3011:00   「CFDの全体像と手法の位置づけ」   姫野 龍太郎(理化学研究所)

 CFDとは,ナビエ・ストークス方程式を解くという共通した目的に対する操作であるが,乱流を例に挙げてもRANS, LES, DNS等様々な計算法が存在する.ここでは,既存の代表的な計算法を紹介するとともに,離散化法・スキーム・物理モデルが計算コードの中でどのような位置づけにあるのかを概説する.

11:1012:40   「離散化手法と数値計算法の選択」  梶島 岳夫(大阪大学)

 CFDには様々な離散化手法や数値計算法が取り入れられている.残念ながら現状では決定版はなく,解析対象に応じて使い分けざるを得ない.本講では,計算効率,解像度,精度,保存性,信頼性など,利用者にとって重要ないくつかの視点から,代表的な解法を説明する.

12:4013:40   CFDベンダーによる展示(昼休み)
午後の講義及び懇親会の司会進行  深潟 康二(慶応大学)

13:4015:10   「物理モデルの基礎と選択法」  山本 誠(東京理科大学)

 乱流等の2次的な現象を含む流れの解析において,厳密な方程式を直接解くことは実用性に乏しい.従って,これらの影響を簡便に表現するための物理モデルを計算に導入するのが一般的である.本講義では各種物理モデルの,流れ場に対する予測性能の差異や計算コストについて説明する.

15:2016:50   「熱流動場のモデルとその選択法」  須賀 一彦(大阪府立大学)

 熱流動場のCFD解析についての注意点や乱流熱流動モデルについての基礎から最新の話題までを分かりやすく解説します.そして,応用計算をするにあたって実用の観点からは,何処に注意して何を選択したら良いかの指針を示します.

16:5017:20   「CFDベンダーによるショート・プレゼンテーション」
当日展示会に出展したCFDベンダー5社
  
(1) アドバンスソフト株式会社, (2) アンシス・ジャパン株式会社 (3) 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

 
(4) 株式会社ヴァイナス, (5) サイバネットシステム株式会社

18:0020:00   懇親会

----------------------------------- 以下,アンケートより ----------------------------------

  • 参加の動機は「企業においてCFD を活用する部署に配属になったため」が多く,開催時期が適切だったことが多くの参加者数を集める結果になったと考えられる.
  • 参加費用は高い→7%,やや高い→35%,妥当→58%であり,この程度の参加者数が見込めるのであれば,若干安くすることも検討すべきかと思われる.
  • 発表スライドのみでなく,論文形式の理論が資料に盛り込まれている点が好評であった.
  • 一方で,テキスト内の発表スライドが白黒で6葉印刷であるため,字が小さい,グラフが見にくい点が不評であった.カラー印刷あるいは電子ファイルの配布希望の声もあった.
  • 時間の関係で質問を受け付けられなかったことがあったため,質問シートなどがあるいいという意見もあった.
  • CFD は対象が多岐に渡るので,対象を絞り,分野に特化した講義を希望するという意見もあった.
更新日:2011.8.8