No. 12-57 講習会 CFDの基礎とノウハウ(流体工学部門企画)
協 賛: | 日本流体力学学会,日本シミュレーション学会,日本計算工学会,可視化情報学会, 情報処理学会 |
担 当: | 荒井 葉月(サイバネットシステム株式会社) |
開催日: | 2012年5月22日(火) |
会 場: | 主婦会館プラザエフ 東京都千代田区六番町15番地 |
本講習会は,設計や予備試験のツールとして広く使われているCFD を題材として,様々な離散化法・スキーム・物理モデルの中から,着目している現象に対する適切な選択をユーザが行う際の指針を与えることを主な目的としました. 同タイトルの講習会はこれまで2008年1月より計4回,東京及び大阪で開催され,それぞれ多数の方にご参加頂きました.
今回は流体工学部門の単独企画として開催しましたが,複数の学会の協賛を得た結果、58名の参加(内学生14名)があり,主に若手(20代)の企業研究者の関心が高かったことが窺えました.講義はCFD分野の第一人者の4人の先生方にお願いいたしましたが,各講義とも参加者からの活発な質疑がありました.
当日のプログラムは以下の通りです.
9:20~ 9:30 挨拶・諸説明 荒井 葉月(サイバネットシステム)
9:30~11:00 「CFDを実施する際に特に留意すべき点」
加藤 千幸(東京大学生産技術研究所)
本講義では,設計業務や研究業務にCFDを適用して期待した成果を得るために理解しておく必要があることに関して概説する.特に,解析目的の明確化,解法やソフトウェアの選択,境界条件や各パラメータの設定方法、結果の判断方法などに関して解説する.
11:10~12:40 「物理モデルの基礎と選択法」 山本 誠(東京理科大学)
乱流等の2次的な現象を含む流れの解析において,厳密な方程式を直接解くことは実用性に乏しい.従って,これらの影響を簡便に表現するための物理モデルを計算に導入するのが一般的である.本講義では各種物理モデルの,流れ場に対する予測性能の差異や計算コストについて説明する.
12:40~13:40 CFDベンダーによる展示(昼休み)
13:40~15:10 「CFDと連成解析」 大島 まり(東京大学生産技術研究所)
工学的な問題では,流体の物理現象に留まらず,複数の物理現象が相互に影響しあう連成問題が多く見られる.そこで,流体構造連成問題を取り上げ,流体構造連成解析の基礎とともに,具体的な例を通して流体構造連成解析手法について解説する.
15:20~16:50 「可視化の基礎とコツ」 竹島 由里子(東北大学)
効果的かつ効率的に視覚解析を行うためには,それぞれの可視化技法の特徴を理解して使い分ける必要がある.本発表では,代表的な可視化技法の特徴を説明し,CFDデータをよりわかりやすく可視化するためのコツを紹介する.
16:50~17:20 「CFDベンダーによるショート・プレゼンテーション」
18:00~20:00 懇親会
-------------------------------------- 以下,アンケートより -------------------------------------
- アンケート回収数:49名
- 参加者の仕事の内訳
企業の研究開発53%,企業の設計業務10%,企業のその他業務8%,学生22%,国公立研究機関4%,その他2% - 参加費用
高い→16%,やや高い→33%,妥当→49%,未回答2% - 使用テキスト
良い→10%,概ね良い→33%,普通→51%,若干悪い6%
良い点:テキストと発表スライドの両方を掲載している点。
悪い点:カラーのほうが分かりやすい。図が見にくい。 - 理解度
かなり理解した→2%,概ね理解した→65%,余り理解できなかった→29%,未回答→4% - 満足度
非常に満足→4%,概ね満足→65%,普通18%,多少不満6%,不満2%,未回答→4% - その他ご意見、今後開催して欲しい講習会について
伝熱関係の講習,レオロジーの基礎,流体機械にポイントをしぼった講習会,本講習会の熱分野版など。