分科会・研究会

P-SCD 339 噴流現象の基礎と先端的応用に関する研究分科会

主 査:社河内 敏彦 (三重大学)
幹 事:辻本公一(三重大学)

はじめに
本分科会の設置期間は 2005 年 8 月まで延長されることとなっている.
以下は 2005 年度分に関する活動報告である.

本年度の活動内容および成果
   詳細は後述する.
   1.研究分科会の開催(計2回)
   3.国際会議(ICJWSF:2005年開催)の企画,準備

本年度の活動内容および成果(詳細)

研究分科会の開催(計2回)

委員からの話題提供に基づき , 噴流の基礎ならびに先端的応用に関する調査研究を行った .
以下に各回の議事録(抜粋版)を記載する . (文中,配布資料番号は当分科会の資料の通し番号である.)

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< . 第 11 回研究分科会(話題提供 3 件)>
日 時:平成 17 年 5 月 20 日 ( 金 )13:00 〜 16:55
場 所:信州大学工学部 太田国際記念館 2 階会議室
出席者: 20 名
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      「側壁平板に再付着する放射状噴流の実験的研究」

           話題提供者:小里泰章先生 ( 岐阜大学 ), 今尾茂樹先生

講演内容

噴流は,各種の産業分野で多方面に応用されるが,その際噴流の方向制御が必要となったり,隣接壁の存在から壁面への再付着現象を伴ったりする.これらの現象は,物体表面の加熱・冷却をはじめ拡散・洗浄などと関連して,工学的にも非常に重要であるため,従来から多くの研究がなされているが,二次元噴流などの比較的単純な流れ場に限られ,乱流場の詳細に至っては,いまだ未解明な部分が多い.また,はく離・再付着流れに目を向けると,各種流体機器内での損失,振動,抵抗増大のデメリットに反し,大きな混合作用,熱・物質移動の促進効果を示すため,その重要な役割を担う乱流構造の解明が必要であり,条件付抽出や相互相関測定など様々な手法によりその組織的構造が明らかにされつつあるが,比較的単純な流れ場が対象となっている.しかしながら,実際の応用面においては,流れ場は単純ではなく,基本的には三次元であり,回転などの外力を伴うことがあるため,より複雑な流れ場の取り扱いが必要となる.放射状噴流には軸方向に加えて周方向にも広がり乱れが早く生ずる特徴があり,工業的にはファイバーや加熱平板の冷却などに利用されているが,この流れを取り扱った研究は数少なく,乱流構造に至ってはほとんど未知の状況である.そこで,本研究では,側壁面の存在に起因する流れの再付着により生じる乱れ構造を解明することを目的に,オフセット平板に再付着する放射状噴流に関し,特に非定常な流れの特性について,油膜法,表面タフト法,煙注入法による可視化観察を行い,熱線流速計・ PIV (粒子画像流速測定)による速度場の測定および側壁平板上の変動圧力場の測定を実施し,変動の周波数解析,相関解析,条件付抽出により流れ場の時間的・空間的構造を調べ,以下に示すことを明らかにした.

・ 再付着位置近傍の流れは順流・逆流をおおむね周期的に繰り返し,再付着位置は振動する.
・ 任意の周方向断面において,平板側に湾曲する噴流は周期的に上下に揺動する.
・ 上記揺動に対する変動は周方向全域にわたり同時かつ一様に起こるわけではなく,ランダムに変化する.
・ 再付着位置より上流と下流では,支配的な変動の周波数が大きく異なり,下流側では上流側の約 10 倍の周波数の変動が大半を占める.
・ 再付着後の高周波の変動は,周方向への連なりは小さく,壁面に沿って正の渦度を伴い移流する.

(配布資料)
No.11-4. 本講演用 Power Point 原稿の写し (A4 9p)

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      「ジェットポンプの性能に及ぼす流路形状の影響」

              話題提供者: 山崎之崇 様 ( 東芝 ), 奈良林直 様

講演内容

沸騰水型原子炉( BWR )で使用されているジェットポンプはこれまでに高効率化の開発が行われ,第1世代において効率が約 35 %であったジェットポンプは,ノズル本数を5本にするなど形状に関して様々な工夫が施された結果,第2世代において効率は約 42 %まで高められた.近年,既存の BWR の運転長期化に伴い,プラント設備効率の改善が注目されており,特に比較的効率の低い第1世代のジェットポンプを使用しているプラントの設備効率の改善が期待されている.また長期に使用され,水中のクラッドが内表面へ付着し,表面粗さの増加によって効率が低下したジェットポンプに関して,効率を回復させる観点より,表面粗さが効率に及ぼす影響が重視される.そこで,本研究ではジェットポンプの効率改善を目的に,スロート内での運動量の伝達およびエネルギー損失の様式に着目し,ノズル形状およびスロート形状がジェットポンプの性能に及ぼす影響を実験的に検討した.また,ジェットポンプの内表面の粗さが性能に及ぼす影響について,基礎的な知見を得るために,スロート内表面の粗さの変化,および粗面のスロートの軸方向上の相対位置の変化がジェットポンプ性能に及ぼす影響を実験的に検討した.主な結果は,以下のようである.

<ノズル・スロート形状の影響>

・ノズル先端部の断面形状が濡れ縁長さの長い花形の場合,スロート内部での駆動流体と被駆動流体との混合を促進する効果が大きい.
しかし,それ故にスロート内の摩擦抵抗が大きく,結果としてジェットポンプ効率は単純な円形ノズルよりも低下する.
・ノズル先端部に流れ方向に切り欠き溝を設けたノズルの場合,噴流出口の断面積を小さくする効果があり,ジェットポンプ効率を高流量比側にシフトさせる.
・短い直管と,その下流側に広がり角度が 1 °の極めて緩やかなテーパ管を組み合わせたスロートでは,駆動流体と被駆動流体の混合の促進が劣り,静圧回復が不十分であるものの,スロート内部の境界層は乱流へと遷移しない.このため,同じ長さを有する直管スロートと比べ内部の摩擦抵抗が小さく,ジェットポンプ効率は向上する.衝突後の噴流の広がりも小さいが,著しく混合遷移が促進され,流れ構造が小スケール化する.

<表面の粗さの影響>

・表面粗さの増加は,スロート入口に近い場所ほど,効率を低下させる.
・スロート入口においては,表面粗さの増加とともに,ジェットポンプの最高効率および最高効率点における流量比は,線形的に減少する.
・スロート入口の表面粗さは, Re 数が大きいほど,スロート内の管摩擦係数への影響が大きい.
・スロート入口の一部の粗さの増加は, Re 数が大きい場合,スロート全体の粗さが増加したことによる管摩擦係数の増加と等価の効果がある.

(配布資料)

No.11-5-1. 本講演用 Power Point 原稿の写し (A4 11p)
No.11-5-2. 「ジェットポンプの混合過程と性能改善に関する研究 ( ノズル・スロート形状の影響 ) (A4 7p)

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      「噴流の流れとその応用に関する一考察」

              話題提供者: 土屋良明先生(元信州大学)

講演内容

 噴流は,工学の各分野で古くから広く応用されてきており,典型的な流れの一つとして位置付けられております.機械系工学の専門教育で流れについて学ぶ初歩の段階から「噴流 ( ジェット ) 」という用語がしばしば使われます.流れ現象は温度や濃度拡散へ強く影響することが知られておりますが,実際には噴流の流れ構造は単純ではありません.自由噴流の場合においても,特に乱流状態における運動量輸送現象についていまだ十分には解明されない現状にあり,従来より多くの研究が行われてきております.工学における応用に際しては,噴出口における流れに加えて噴流後の流路形状も噴流の流れに強く影響します.個々の工学的応用における資料となる段階にあり,系統的な噴流流れ現象の理解は,今後の研究に待つといっても過言ではありません.筆者は,今春(平成 17 年 3 月末)まで長年にわたり,機械工学分野の学生へ流体工学への入門の教育を行うとともに,噴流についての実験をすこしばかり続けてきました.このような状況の中で,この間に気付いた事柄のいくつかを,浅学を省みずかつ正鵠を得ないことを恐れつつ,以下の事項について述べます.まず,機械工学系の学部カリキュラムにおいて最初に使う教科書に「噴流についてのどのように記載されているか?」を調べてみた結果を,後に記します . 最初に受ける流体関係の講義の中で学生へ与える印象が,かなりその後の噴流への関心を左右すると考えられるからです.つぎに ,  噴流の流れの多様性について,復習的に概要を述べます.すなわち,噴流の流れは,流体の物性値などにも関連するとして,噴出流体と周囲流体の同異,周囲流体の流動の有無,圧縮性の影響の有無および噴出口を含めた流路形状,また,流路形状に注目すれば,自由噴流,半噴流,壁面噴流および面噴出流によっても異なります .  さらに,応用の面からは,基本となる自由噴流での運動量輸送のみならず,物体との干渉がある場合の噴流の流れが極めて重要になります.なお,筆者が注目してきた長方形噴流について , 噴出口の縦横比および形状によっても流れ場の様相は著しく異なるなど,関連の研究を概観します.工学的応用の観点に注目した立場から,噴流に関する今後の研究への期待を後にまとめます.さらに,最近( 2004 年度)の噴流研究の動向については, 2005 年度 JSME 年鑑 (7.3.1  噴流 ) の資料より,乱流噴流の組織的構造の実験的研究,噴流の能動制御,制御デバイスとしての噴流の研究および噴流の数値解析としてまとめられておりますので,詳細はそちらを参照ください.

<教科書における噴流の記述のまとめ>

・日常生活の中で使われているジェット ( 噴流 ) は,用語の解説なしに使用され,ベルヌーイの定理,運動量理論の説明(例題)のために使われている場合が多い.
・自由噴流についての考え方(流れの構造等)の概要を記載し,かつ,噴流の多様性と関連付けた有用性・重要性について,簡明でもいいから記述されることを希望する.
・噴流とその応用について,教科書のみならず,一般向けに的確に理解される本の出版等が望ましい.

<期待される応用研究など>

・小型コンプレッサーでの場合における 圧縮性考慮した空気噴流の流れ,スプレーにおける流れ特性に関連した相変化を伴う噴流など日常使われている噴流を見直し効率的利用をはかる.
・「長方形噴流は,噴出口から離れた領域では,軸対称流化するか?」など噴出口における流れの条件が噴流発達過程における乱流混合機構に及ぼす影響を,系統的に明らかにする.
・現実の(工学的)問題の解決のために,調べるべき事項を整理して,系統的な知識体系を構築するためのプロジェクトを実施する.
*現実の(工学的)問題の解決のために調べるべき事項を系統化する.

(配布資料)

No.11-6. 本講演用 Power Point 原稿の写しおよび
On the spread of rectangular jets (Experiments in Fluids 4) (A4 15p)

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     < . 第 12 回研究分科会(話題提供 3 件)>
日 時:平成 17 年 8 月 5 日 ( 金 ) 13:10 〜 17:00
場 所:三重大学工学部 SVBL,2F会議室
出席者: 20 名

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「噴流の混合制御に関する直接数値シミュレーション」

           話題提供者:辻本 公一 (三重大学)

講演内容

工学機器における混合,反応,伝熱の促進のため,基本の流動形態である噴流の特性に関する研究が行われてきた.特に環境エネルギ問題が重要視されるなか,自然エネルギや燃料電池等,環境負荷の小さいエネルギ創出技術に限らず,従来機器における省エネ化も強く求められている.最近では例えばマイクロガスタービンでは柔軟に負荷制御を行うことに関連して大幅に流れの混合状態を変えることや MEMS に代表される微小デバイス内流れでは,従来の工学機器と比べ極めて遅い流れの領域を効率的に混合するなど,求められている特性も多様化している.反応,伝熱,混合の諸現象の促進は,運動量が拡散すること,すなわち運動量交換が積極的に行われることに付随して生じるが,混合により一様化した状態や反応が終了した状態をさらに攪拌し混合する必要がないにもかかわらず,多分に無駄な混合が行われている.混合制御の難しさは流れの抵抗削減とは異なり,乱れのエネルギを少なくすれば必ずしも目標をとする性能が達成されるわけではなくエネルギとしての無駄も許容しながら流れを制御をしなければならないところにある.そのため混合の役割を担う最も基本的な流動現象である渦( vortex )の働きをよく理解する必要がある.近年,噴流に対する DNS(Direct Numerical Simulation) も行われるようになり,これら諸特性の改善のために必要となる詳細な噴流構造の知見を得ることが可能となっている.噴流の場合,流れがもともと不安定でその不安定から生じる渦が積極的に混合を担うこと,この不安定は強いかく乱,すなわち大きなエネルギを供給を必要としないことから不安定モードの操作が効率的な混合制御の道を開く.そのため本研究では噴流のダイナミックな制御と同時にこれまでにない不安定モードの創出を目的としている.その方法としてここでは円形噴流の複合化と非円形噴流の噴流構造について評価を始め,以下の結果を得た.

<円形噴流の複合化>

・平行に配置した二分流の場合,計算領域内では強い干渉は生じず,二分流の接触側においてのみ渦構造の強い変形が確認された.
・二噴流を傾斜させ,衝突させた場合,衝突角度に依存して噴流幅の制御が可能で,衝突後に形成される大規模構造が混合を著しく強化することを見出した.
・更なる複合化の効果を調べるため, 4 本の噴流を一点で衝突させると,二本の場合よりも乱れの強さは弱くまた,衝突後の噴流の広がりも小さいが,著しく混合遷移が促進され,流れ構造が小スケール化する.

<非円形噴流>

・非円形噴流の場合,ノズル近傍領域では,励起の有無に関わらず,ノズル形状に依存し,せん断層と渦構造が補完しあい,安定した渦構造の形成が行なわれるため,一端形成された大規模渦構造は下流側へと効率的に形成される.

(配布資料)

No.12-4. 「噴流の混合制御に関する直接数値シミュレーション」 (A4 9P)

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         「噴流群を用いた熱伝達率分布の制御
( LES による数値計算と,ニューロを実装した実時間制御)」

           話題提供者: 菱田 公一  先生 (慶応義塾大学)

講演内容

衝突噴流はよどみ点付近で高い熱伝達率を有する,噴流を発生させる動力源の容量が比較的小さい等の理由から,製紙・製鉄工業における物体の加熱・冷却,乾燥等に幅広く用いられており,熱伝達の促進と同時にその分布形状の制御が要求されている.本報告では,衝突噴流における壁面温度分布を制御目標量とし,単独噴流より多くの分布形状が得られる衝突 2 噴流を用いた流れ場を対象とした.この流れ場において,速度場と温度場をラージエディシミュレーション (LES) により解析し,ニューロを実装した実時間制御を実験により実現した.数値計算においては,衝突二噴流の流動構造と熱伝達特性を関係づけるため,励起時と非励起時の結果を比較した.励起時には噴流剪断層に顕著な渦構造が生成する.二噴流内側の剪断層では高温の流体と低温の流体が接しており,励起時には渦構造により混合が活発に行われ,高温の流体は噴流外側の領域に対流輸送されるため,噴流間の温度が低下する.衝突壁面近傍においては,剪断渦による渦の引張からリブ構造が生成し,二噴流内側剪断層のリブ構造が壁面に衝突した渦が顕著に存在する.壁面近傍の温度境界層は,よどみ領域においてはこの渦構造により流体の界面更新がおこり,その厚さが減少し,熱伝達が促進される.このことからよどみ領域における熱伝達の促進と壁面近傍の渦構造の関連が明らかとされた.二噴流間の領域では,壁面で熱せられた流体が逃げ場を失うため熱伝達を抑制するが,励起時には二噴流内側の剪断渦による混合促進の影響により熱伝達率が上昇する.これらの特性は既存の実験結果とも良好な一致を得た.制御系を実現する上で,熱伝達構造を決定する流動構造が非線形なナビア・ストークス方程式に支配されており,また多様な分布を得るため複数の制御入力を用いるため,非線形・多入力多出力な系を構成しなければならない.ニューラルネットワークは非線形・多入力多出力に対応できるため,高精度な制御を行うための有効な手段である.筆者の研究グループでは,ニューラルネットワークを用いた流体制御として,制御前に学習 (off-line-learning) させておいたニューラルネットワークをコントローラとして用いた 3 噴流における流速分布制御が行っている.本報告ではニューラルネットワークに流れ場の逆関数を学習させ,コントローラとして用いる.目標壁面温度分布を実現するためには,所望の励起振幅を得,ニューラルネットワークが学習する逆関数の精度を高める必要がある.そのために off-line-learning , on-line-learning の 2 ステップで学習を行う制御系を設計し,衝突 2 噴流の壁面温度分布制御に適用した結果,学習回数の増加にともない逆関数の精度が向上し,壁面温度分布が目標壁面温度分布に漸近することが確認され,本制御系の有効性が示された.

(配布資料)

No.12-5-1. 「 2 次平行 3 噴流群におけるフィードバック制御」(機論)
No.12-5-2. 「 Simulation and measurement of flow and heat transfer in two planar impinging jets 」 (Int. J. Heat and Fluid Flow)

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「 2 次元噴流のコヒーレント構造発展について」

           話題提供者:酒井 康彦 先生 (名古屋大学)

講演内容

乱流中で観測される組織的(コヒーレント)運動を捉えるために,組織運動を特徴付ける現象を目印とし,これが現れたときの流れ場の平均的状態を探る条件付抽出法が早くから用いられてきた.しかし,通常の条件付抽出法では,測定領域中に基準位置を設定し,そこで測定されたある物理量の時間経過に着目して,それに条件を付けて,各種統計量を導出する方法がとられる.したがって,条件の与え方によっては客観性に欠けたり,コヒーレント構造の細部の情報がぼやけたりする.そこで,本研究では,コヒーレント構造を抽出する方法として,客観的に(条件なし)で乱流の構造を抽出することができる KL(Karhunen Lo?ve) 展開を採用した. KL 展開は POD(Proper Orthogonal Decomposition) とも呼ばれ,2点空間速度相関テンソルを用いた解析手法であるため,空間的に不規則な現象を捉えるために有効である. 本研究では,コヒーレント構造の解析対象として,基本的かつ応用範囲の広い二次元噴流を取り上げた.著者らはこれまでに,ノズル出口直後から十分下流に至る広い範囲にわたって X 型熱線プローブによる2点同時測定を行い, KL 展開や KL 展開と Fourier 変換を組み合わせた解析法を用いて得られた固有値,固有関数などを調べ,二次元噴流の出口から下流にわたる各種領域(ポテンシャルコア領域,相互作用領域,自己保存領域)でのコヒーレント構造の平均的特徴について調べてきた.今回は,自己保存領域に対して, 21 本の I 型熱線プローブにより噴流軸方向速度の多点同時測定を行い,流れ場の瞬時空間構造の解明を試みた.また, X 型熱線プローブを 9 本使用して,多点同時計測を行い,軸方向速度と軸に垂直な方向の速度の両方の観点から,コヒーレント構造について考察した.以下に,主な結果をまとめる.

< I 型熱線プローブによる 21 点同時計測>

・ KL 展開の展開係数と固有関数の関係から,低次の項は大スケールの構造,中次の項は小スケールのランダム性の高い構造,高次の項は外縁部における間欠的な構造を表していることが分かった.
・ KL 展開の第1基底で再構成した変動速度空間分布の時間変化から, flapping 現象が起きている時間帯では,噴流中心軸を挟んで両側に,正の軸方向変動速度を持つ流体塊と負の軸方向変動速度を持つ流体塊が対になって存在しており,それらの変動速度の符号が時間とともに交互に反転して分布していることが分かった.

< X 型熱線プローブによる 9 点同時計測>

・噴流中心軸に垂直方向の変動速度については,どの噴流中心軸に垂直な方向位置においても,主に同符号の変動速度を示す縦縞状の構造を示すことがわかった.一方,噴流中心軸方向の変動速度については,中心軸を挟んで正と負の流体塊が対になって形成されていることを再確認した.
・ KL 展開の第1基底は flapping 現象の特徴を表しており,第2基底と第3基底は puffing 現象の特徴を表していることが分かった.そして, flapping 現象と puffing 現象を組み合わせることにより,互いに逆回転する渦構造が千鳥足上に並ぶという二次元噴流の自己保存領域におけるコヒーレント構造を説明することができた.

(配布資料)
No.12-6.  本講演用 Power point 原稿の写し( A4 10p )

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  2 . 国際会議 (ICJWSF : 2005 年開催)の開催,準備

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     当分科会を中心に国際会議について準備され,開催された.
(ホームページ  http://www.ees.mach.mie-u.ac.jp/ICJWSF/
詳細は当会議の報告をご覧ください.

更新日:2006.10.6