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2002年3月「退会者アンケート」集計結果

流体工学部門 会員委員会  

部門および機械学会のサービス向上策を検討するため,会員とともに退会者に対してもアンケート調査を行った.流体工学部門の第1位登録者からの退会者を,最近の方からさかのぼって約60名に依頼をし,26名から回答をいただいた.
  回答者数が少ないので統計データとしての客観性はあまり期待できないかもしれないが,退会者の意見・意識は貴重である.

所属
大学
企業
公的研究所
その他
合計
教職員
学生
研究・開発
設計・開発
営業
その他
回答者数
0
3
7
7
0
6
0

3

26


(1)入会当時,機械学会の発行物,行事などの利用度と有益度を5段階でお答えください.

最高(非常によく利用/非常によい)を5,最低(まったく利用しない/非常に悪い)を1.
    項目: 学会誌,講演会(情報収集の目的で),講演会(研究発表の目的で),論文投稿,
        論文集からの情報収集,流体工学部門ニュースレター,講習会,見学会,
        学会出版物(機械工学便覧など),学会ホームページ,もしあれば「その他の企画」

 会員アンケートでも同一の調査を行ったが,会員に比べ,全体に「まったく利用しない」が多い.その中で相対的に利用度が高いものは学会誌と学会出版物(機械工学便覧など)であるが,これらは企業で法人会員になっている場合には,社内で閲覧することができ,個人会員であることの意味がない.その他の部分で個人へのサービスが感じられなければ退会するという現れであろう.
  有益度は利用度よりは評価が高く,利用はしていなくても有益であると認識している場合があるということであろう.学会出版物の有益度は高いが,このことは社会的な貢献になってはいるものの,個人会員をつなぎとめる効果にはなっていない.会員アンケート結果の有益度との顕著な相違は,論文集の対する評価である.会員では約54%が「よい」か「非常によい」としているが,退会者では,約32%に留まっている.つまり,論文集に代表されるような研究情報をあまり活用しない層には,機械学会のメリットはないということになる.
  研究情報以外の面で,会員個人に直接サービスできるものがなければ,会員としてつなぎとめることはできない.


以下,記述回答を挙げる.文末のかっこ内の数字は,その項目の利用度と有益度を表す.

学会誌:
・年間を通し,私の研究に直接関連する記事は少なかったが,その他,興味を持てるものもあり良
かった(4,4).
・カバーする領域が広いので,特に専門外には有益(4,3).
・編集が変わりましたが,ベーシックな技術のトピックスが少なかった(2,3).

講演会(情報収集の目的で):
・学生員の発表以来,発表をしていない(2,3).
・業務で利用する機会がなかった(1,1).

講演会(研究発表の目的で):
・業務で利用する機会がなかった(1,1).

論文投稿:
・行ったことがないです(1,3).
・学生員以来投稿していない(2,3).

流体工学部門ニュースレター:
・大学の研究の紹介はあったが,企業で有益な技術の紹介がまったくなかった(不満)(3,3).
・存在をしりませんでした(1,3).

講習会:
・領域に広さ故,希望のテーマがあまりない.ヒット率が低い.但しヒットしたときの有効度は高
い(2,4).
・参加した事がないです(1,3).

見学会:
・領域に広さ故,希望のテーマがあまりない.ヒット率が低い.但しヒットしたときの有効度は高
い(2,4).
・参加した事がないです(1,3).

学会出版物(機械工学便覧など):
・非常に有益(5,5).

その他の企画:
・メカライフ(学校図書にて)(4,4).

全体に対しての意見:
・工業高校生の課題研究等について情報収集できる事を望みます(高校教諭).
・利用していない項目が多く,有益度は分かりません.

(2)機械学会に入会した理由は何ですか? (複数回答可)

① 研究発表を行うため ② 研究情報を得るため ③ 技術情報を得るため
④ 指導教員からの薦め ⑤ 勤務先の上司・同僚からの薦め ⑥ 学会行事に参加のため
⑦ その他( )

入会した理由

会員アンケートでは「研究発表を行うため」と「研究情報を得るため」が多かったのに対して,退会者では「指導教員からの薦め」が多い.入会のきっかけとしては指導教員の薦めは有効であるが,その後の会員であることのメリットが薄いということであろう.
  入会の「その他」の理由は,
・学生員からの継続(指導教員からの薦め).
・就職に有利と言われた(指導教員からの薦め).
であった.いずれも「指導教員からの薦め」との複数回答であった.「就職に有利」というのは本当であろうか,疑問がある.

(3)機械学会を退会した理由は何ですか? (複数回答可)

① 卒業により専門が変わるため ② 配置替えにより専門が変わるため
③ 転職により専門が変わるため ④ 退職した
⑤ 研究職から離れた・離れている ⑥ もともと専門がずれていた
⑦ 期待した研究情報が得られない ⑧ 期待した技術情報が得られない
⑨ 有益なサービスが少ない ⑩ 会費が高い
⑪ 入会している同様の学協会が多い
⑫ その他( )

 退会の理由は,「研究職から離れた・離れている」が最も多く,全体の42.3%に達する.当然,業務内容から研究から離れる人はいる訳であり,これらの人をつなぎとめるには,研究以外の業務に直接役に立つ技術情報をいかに提供できるかが,大きなポイントになる.
  退会の「その他」の理由は次の通りである.
・機械工学に興味がなくなった.
・学会誌の内容が職務と全く合致しない
・1次退職で第一線を退いた.永久会員ながら直接の情報の収集を止めた.

退会の理由

(4)流体工学部門を部門登録第1位にしていた方にお尋ねします.(学生員は除く)

入会当時,第1位に登録した理由は何ですか?
① 学生時代の専攻 ② 仕事上関係が深いから ③ 興味があるから
④ その他(       )

入会当時、第1位に登録した理由は何ですか? 会員アンケートでも同一の質問を行った.結果は,会員では,「仕事上関係が深いから」が65%,「学生時代の専攻」が28%となっており,学生時代に指導教員に薦められて入会した層が,退会者には多い(43%).やはり,仕事上関係が深い方は継続して会員でいる訳である.
  興味ある情報が得られるなど,仕事上のつながり以外でメリットを出せなければ,この層をつなぎ止めることはできないということになる.

入会当時,第1位に登録した理由は何ですか?

(5)当時も含め,入会していた(入会している)流体関連学協会に○をつけ,その有益度(最高5~最低1の5段階で)をかっこ内に記入してください.

①機械学会(流体工学部門)( ) ②流体力学会( ) ③可視化情報学会( )
④ターボ機械協会( ) ⑤ガスタービン学会( ) ⑥混相流学会( )
⑦数値流体力学会( ) ⑧航空宇宙学会( ) ⑨造船学会( )
⑩油空圧学会( ) ⑪原子力学会( ) ⑫風力エネルギー協会( )
⑬その他(名称と有益度

会員アンケートにおいても,本設問と同様の質問を行った.同時に所属する学協会で最も多いものが「ターボ機械協会」であることなど,その他の傾向もほぼ会員アンケートと同様の結果であった.さすがに,機械学会(流体工学部門)を「非常によい」とする人はいなかった.


(6)機械学会あるいは流体工学部門で,不足していたサービス,改善すべき点等があればお書きください.

・学会としては特に不満はなかったが,情報入手(学会誌,論文集など)は会社の図書で読むこと
ができ,個人で入っている意味があまりないため退会させていただきました.
・学会誌の論文は一般性にかけ,ある分野の専門家しか分からないものが多い.一般的な内容にと
どめ,詳細は参照論文の形式とする.
・先に書きましたが,有益な技術の紹介記事がなかったこと.
・地方での講演も多いようだが,交通の便が悪く行きづらい.
・論文の検索がしにくい.欲しい論文があっても自分で探す必要がある上に,検索データベースも
なく,全て手作業での検索となる.


(7)その他,ご意見がありましたらご自由にお書きください.

・工業高校生などが取り込みやすい,取り組みやすい技術,工業離れ等を止められる様な,わかり
易い情報提供を望みます.
・職務上,学生時代の専攻とはほど遠い仕事を行っている為,本学会誌の情報が活用できない(書
店等で専門書を買った方が有益だ).
・会費が安ければ再入会を検討したい.
・これからの編集に一般企業の会員の要望のアンケートを取り,それを有効に生かして会報づくり
をしてもらいたい.今後の御発展をお祈りしています.お世話様でした.
・お付き合いで入会していました.従いまして,まったく利用していません.
・お世話になりました(2名).

 
更新日:2002.3.31