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「流れのふしぎ科学教室 2010」実施報告

神奈川工科大学 石綿良三

 2010年年次大会の特別企画として,流体工学部門企画市民フォーラム「流れのふしぎ科学教室」が9月5日(日)に名古屋工業大学ものづくりテクノセンターで実施された.小中学生を対象にした実験教室と教員・科学ボランティア等を対象にした研修会を行い,石綿が講師をつとめた.スケジュールは次の通りであった.
   13:00~14:30 楽しい流れの実験教室(小中学生対象)
   15:00~16:30 教員と科学ボランティアのための研修会

  「楽しい流れの実験教室」では,まず機械学会流体工学部門ホームページにある同名の「楽しい流れの実験教室」で実験動画を公開している題材のいくつかを実演した.一見するとふしぎな現象にもちゃんと原理があり,いろいろな技術に役立っていることを説明した.たとえば,風船をドライヤーで斜めに浮かせる実験(図1)で飛行機の翼の原理を解説したりした.実験教室の後半は,風上に向かって走行する模型自動車「ウインドカー」の工作を行い,ひも巻き取り式による動力伝達機構をもつウインドカーを参加者一人ひとりに製作してもらった(図2).完成後,実際に風に逆らって進み,たいへん喜んでいた.

  「教員と科学ボランティアのための研修会」は教員等の流体力学に対する理解を深めるために企画したものである.一般向けの科学書やネット情報等でしばしば流体力学に関連する現象や実験などが紹介されているが,原理の説明が多くのケースで間違っているのが実状である.本講座では,流体力学を利用したさまざまな実験や教材を紹介するとともに,理科教員や科学書の執筆者でもよく間違えている原理についても正しい説明の仕方を伝えた(図3,図4).このような活動が流体力学,流体工学の普及につながっていくことを願っている.

 【参考】楽しい流れの実験教室  http://www.jsme-fed.org/experiment/index.html


図1 ドライヤーを斜めにしても風船は浮いている


図2 ウインドカーの工作


図3 教員・科学ボランティアのための研修会


図4 空気で操る教材「雪だるま」

更新日:2010.11.25