「第9回流れと遊ぶアイデアコンテスト」報告
神奈川工科大学 石綿 良三
第9回を迎えた流れと遊ぶアイデアコンテストが,平成15年(2003年)8月23日(土)に神奈川工科大学で実施されました.今回の種目は,(1)ウインドカー,(2)ウインドシップ,(3)ドルフィンジャンプの3種目で,延べ117グループ(137名)が参加し,盛況の下,無事終了しました.
(1)ウインドカー
まわりを吹く風のエネルギーを利用して風上に向かって走る模型自動車が「ウインドカー」です.今回は2台並走させ,トーナメントで優勝を競うというものでした.もちろん,アイデアも重要で,アイデア賞などいくつかの賞があります.
小学生の部には19グループが参加し,優勝は茨城県からの米川東秀君(夏海小学校6年)で,小学生ながら非常に軽快で安定した走りを見せました.ジュニアの部(中高生)には21グループが参加し,優勝は山梨県立北富士高校3年の渡辺祐己君でした.アイデア賞は山梨県立韮崎工業高校3年の保坂裕一君の作品で,しっぽを振りながら3足で歩行するというユニークなものでした.一般の部(大学・社会人)には16グループが参加し,社会人の豊田裕介さんが2連覇を飾りました.準優勝の東京理科大学院生の上条拓真君・加藤陽介君のグループは翼の設計から行ったという力作でした.
写真1 会場風景
写真2 米川東秀君(左)
写真3 保坂裕一君作品
写真4 上条君(左)と豊田氏(右)
(2)ウインドシップ
ウインドカーの船版がウインドシップです.まわりを吹く風のエネルギーを利用して風上に向かって走る船です.ウインドカーよりも技術的に難しく,ジュニアの部(小学生~高校生)に5グループ,一般の部に7グループが参加しました.400mm以上を前進することを条件としてアイデアを競い,速度は参考としました.
ジュニアの部のアイデア大賞(第1等の賞)は,山梨県立韮崎工業高校3年の八代達也君の作品で,まっすぐに安定して航行したことが評価されました.一般の部のアイデア大賞は,茨城県立土浦工業高校教員の小林義行先生で,飛行機のような形をした水面下の船体を,水中翼による揚力で支えながら航行するという作品でした.
写真5 八代 達也君
写真6 小林 義行氏
(3)ドルフィンジャンプ
水に静めた物体を浮力によって高飛びをさせるという種目です.多くの作品は,発泡スチロールを流線型にカットしたものです.大会記録は,第7回大会(平成13年)の静岡大学留学生の150cmです.
今回は,3才の子供から66才のご婦人まで幅広い年齢層で,幼稚園児,小中高校生,大学生,主婦,社会人など多彩な顔ぶれで同一の種目に49名が参加し,大変にぎやかで楽しく競技が進みました.
小学生以下の最高記録は小学校3年のあらいひろみつ君の80cmで,大人も油断できない高記録です.優勝は会社員の荒井孝之さん(120cm),準優勝は主婦の築井晃子さんで,大学生,高校生をしのぎました.
以上のように大変盛況な大会となりました.来年は第10回となりますので,記念大会として特別企画を計画しています.平成16年3月頃にアナウンスをする予定です.次回も多数の参加をお待ちしております.
写真7 あらいひろみつ君
写真8 荒井 孝之氏
(参考: http://www.kanagawa-it.ac.jp/~nagare)