No.10-142 講習会 基礎から学ぶプラズマ工学 開催報告書
(流体工学部門企画)
担当:堀澤 秀之(東海大学)
開催日:2010年12月10日(金)
会 場:日本機械学会会議室
〒160-0016東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館5階
本講習会は,プラズマ工学の基礎の修得を主たる目的に掲げた.プラズマ工学は,半導体の微細加工から重工業における溶接・切断加工に至る幅広い分野で活用され,さらには流体工学の分野においても,プラズマアクチュエータによる流体制御に関する研究が注目を集めてきた.しかしながら,プラズマ現象の物理的な解釈は,多くの専門書が難解であることなどから,敬遠されがちな状況であった.
そこで,本講習会では,プラズマ工学の基礎に焦点を絞り,前半ではプラズマの基本的な特性や基礎方程式ならびに数値シミュレーションの基礎に関する説明がなされた.ついで後半では,プラズマの応用例として,プラズマアクチュエータおよびプラズマエンジンのそれぞれの基礎に関する講述がなされた.
当日の参加者は計41名(内学生24名)であった.それぞれの講演について活発な質疑・応答がなされた.それぞれの題目と講師を以下に記す.
1.9:30~11:00 基礎1:プラズマの基礎:小紫 公也(東京大学)
- 身近なプラズマとその特徴
- プラズマ固有の現象(静電シースと磁気ミラー)
- プラズマの温度とその計測方法
- 電磁流体力学(MHD)方程式の導出
2.11:00~12:30 基礎2:プラズマの数値シミュレーション:宮坂 武志(岐阜大学)
- プラズマの分類とモデル化
- プラズマの支配方程式と数値シミュレーション手法
- 数値シミュレーションの実際
- 数値シミュレーション環境と効率化
3.13:30~15:00 応用1:プラズマアクチュエータ:松野 隆(鳥取大学)
- プラズマアクチュエータの種類・特徴
- 研究動向
- プラズマアクチュエータによる剥離抑制
- 実用化に向けた課題
4.15:00~16:30 応用2:宇宙推進用プラズマロケット:船木 一幸(JAXA)
- プラズマロケットエンジンの種類・特徴
- はやぶさ用イオンエンジンの仕組み
- イオンエンジンによる宇宙航行(小惑星探査機はやぶさの例)
- 今後の実用化に向けた研究開発動向
---------------------- 以下,アンケートより ----------------------
- プラズマアクチュエータの関心が高い(今後の要望も高い).
- テキストが好評.
- 一部のスライド原稿が当日配布となり行き届かなかった(反省点).
- 参加費用についてほぼ半数が「高い」と回答(高い+やや高い:17(内学生8)).
(聴講料:会員15,000円,会員外25,000円,学生員大学院生の会員(准員/正員)5,000円,一般学生5,000円) - 参加者のほぼ半数がプラズマ工学に関与.
【参加者の分野】(計41名(アンケート回答者数))
プラズマアクチュエータ: 11 CFD: 7 電気推進: 4 パワーエレクトロニクス: 3 噴流: 3 流体機械: 2 空力騒音: 2 後流渦: 2 内燃機関: 2 集塵機: 1 CAE: 1 プラズマプロセス: 2 化学工学: 1