1円玉を吹き飛ばす
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- テーブルの上に置いた1円玉に息を吹きつけると1円玉が飛ばされます。
- 流れが当たると1円玉の角のところで「はく離」が起こり、循環領域ができます。
- 流線はこの領域を避けて湾曲します。湾曲する流れでは、外側は高圧、内側は低圧になります(流線曲率の定理)。そのため、はく離域の圧力は大気圧よりも小さくなり、1円玉は吸い上げられます。1円玉が少しでもめくれ上がると、風を受けて飛ばされます。
【注意】 | ベルヌーイの定理により「空気が流れているところは(まわりの静止したところと比べて)流速が大きく圧力が低くなる」という説明は間違いです。何もないところで、ドライヤーや息で空気を吹いてもほぼ大気圧のままです。ベルヌーイの定理は流体のエネルギー保存則ですが、強制的に吹いたところではまわりよりもエネルギーが大きくなっています。そのため、流れているところと周囲の静止したところを比較してベルヌーイの定理を使うことはできません。多くの本などで間違って書かれていますので注意してください。 |
【キーワード】 | はく離、流線曲率の定理 |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P136-139および P120-127. |
更新日:2011.10.1