風船自動車2(噴出口の大きさ)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 「風船自動車1」の噴出口の大きさを変えると性能がどう変わるのかを実験してみましょう。
- 自動車の台車に風船を取り付けます(この動画では大きさ45cmの風船を使用)。
- 風船の出口がつぶれないようにビニールホースを風船の口に入れておきます。ホースの太さは、直径18mm(内径15mm)と直径11mm(内径9mm)の2種類を使って性能を比較してみます。
- 風船をふくらませて手を離すと自動車は走り出します。太い噴出口のほうが速く、遠くまで走りました。
- この仕組みは「ジェット推進」の原理を利用したものです。後ろ向きに勢いよく空気を噴出させるとその反動(作用反作用)で車体には前進方向の力がはたらいて、これが推進力になるのです。
- 推進力の大きさは、流速(流れの速さ)と流量(流れる空気の体積÷時間)の両方に比例します。
(推進力)=(空気の密度)×(流速)×(流量) - 噴出口が細い場合、粘性摩擦によるエネルギーの損失が大きくなり、流速が遅くなります。さらに、断面積(断面の円の面積)が小さいため流量も小さくなります(流量=流速×断面積)。そのため、噴出口が細い場合には推進力はこれらの2つの影響により小さくなり、性能の差が出たのです。
- 風船自動車の性能をよくするためにはある程度噴出口が大きくないといけません。ただし、あまりにも大きすぎると短時間で噴出が終わってしまいうまくいきません。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | ジェット推進、運動量の法則、作用反作用 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P114-117 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P156-157 |
更新日:2021.4.1