穴の開いたペットボトル3
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 前に「穴の開いたペットボトル」と「水の高さとエネルギー」という実験を公開しました。これは、それらの実験の応用です。
- 2つの画びょう(つかむ所があるタイプ)を用意して、ペットボトルの側面に高さに差をつけて差し込みます(画びょうがない場合には針のようなもので穴を開けてセロテープでフタをしておいてもよい)。
- このペットボトルを水で満たしてキャップをしっかり閉めておきます。
- はじめに、下の画びょうを抜きます。すると、水は流れ出ません。表面張力によって抑えられているからです。
- 次に、上下の画びょうを抜きます。すると、下の穴から水が流出し、上の穴からはまわりの空気が吸い込まれていきます。上の穴の高さでは水の圧力はほぼ大気圧になります。下の穴の高さでは中の水の圧力は上下の高さの差の分(圧力上昇=水の密度×重力加速度×高さの差)だけ大気圧よりも高くなります。この圧力によって下の穴からは水が流出します。このときの圧力差は大きく、表面張力によって流出を止めることはできないのです。
- 上の穴を開ける代わりに、次にペットボトルのキャップをとってみます。すると、下の穴から水が流出します。上部の水面(大気圧)よりも下の穴の高さにおける水の圧力が高くなり、中の水を流出させます。表面張力による力(一般に小さい)ではこの圧力差を食い止めることはできないのです。
- 上下に穴を開けると流出を食い止めることはむずかしくなります。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | 表面張力、深さと圧力 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P62-67、P38-41. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P48-49、P18-19. |
更新日:2023.6.1