流れ 2006年1月号 目次
― 2006年度年次大会流体工学部門オーガナイズドセッション ―
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2006年度年次大会 合同OS「産業化および安全のための技術」
企画のご案内とご講演ご参加のお願い
2006年度の年次大会は熊本大学で開催されます.熊本大学には他の大学にない特長として爆薬の利用なども含めまして強い衝撃力を発生させることができる施設を有しております.
1971年設置の「工学部附属衝撃エネルギー実験所」ならびに1984年設置の学内共同利用施設「極低温装置室」を改組拡充し本学の共同教育研究施設として1999年に衝撃・極限環境研究センターとして設置された研究組織を有し,21世紀COEプログラム「衝撃エネルギー科学の深化と応用」としての役割も果たしております.
30年以上の長年に亘り衝撃力および衝撃波について研究を行なってきまして,衝撃の分野は従来特殊領域で発展してきたわけでありますが,通常の技術では成し得ない数々の利点を有しており,現在,社会の広い領域へ普及させるべく衝撃超高圧,静的超高圧,極低温,強磁場,超重力場を始めとし,さらには各種の極限環境を複合化した様々な新技術や新利用法を開発しております.
しかしながら新しい技術の普及に対して壁となる問題の一つは高エネルギーに対する安全性であり,普及の鍵は本技術が産業会において安全な機械システムとして認知される点にあると言えます.これは本部門のテーマに合致しており,2006年度の機械学会年次大会のセッションテーマとして衝撃による新技術の産業化と安全性評価・対策を主題として,関係の深い流体工学部門および材料力学部門との合同オーガナイズセッションを設けることに致しました.
総合的な見地からの議論が必要になりますので,流体力学部門からは,衝撃波研究で有名な東北大学流体科学研究所の佐宗章弘先生,材料力学部門からは材料の動的変形について手がけておられる本学の坂本英俊先生,そして安全性問題を専門とされておられる横浜国立大学の福田隆文先生にオーガナイザーとして入っていただいております.
テーマは「産業化および安全のための技術」としておりますが,これは新技術の産業化や安全に対する管理システムの問題は衝撃技術に拘わらず皆共通の問題であり,導入様式や問題解決策については広い分野の情報を得ることが有意義であると思われるからです.
本OSを通して,安全性をクリアして新技術の産業化が少しでも促進されることを期待しております.