流れの読み物

Home > 流れの読み物 > ニュースレター > 2006年1月号

流れ 2006年1月号 目次

― 2006年度年次大会流体工学部門オーガナイズドセッション ―

  1. 巻頭言
    桑原(荏原製作所)松本(室蘭工業大学)石本(東北大学) 内田(東芝)
  2. 2006年度年次大会流体工学部門オーガナイズドセッション一覧

 

「OS-47 自然の流体エネルギー利用技術」 講演募集

発熱に耐える地球

 地球上に生物が誕生した約38億年前から気が遠くなるほどゆっくり圧縮堆積されてきた高密度の化石燃料を,18世紀末の産業革命以来,ほんの200年で一挙に燃やし,地球は宇宙に放出するはずの赤外線を吸収する二酸化炭素に取り囲まれてしまいました.二酸化炭素を吸収するはずの森林も,乱雑な伐採や火災などでそれに拍車をかけています.このままでは氷河湖の決壊や海面上昇などによる自然災害はおろか,残すところ200年弱で人類は滅亡するかもしれません.いや,その前に,約50年先には,最も利用しやすい堆積エネルギーは枯渇し,原始生活に余儀なく戻されるでしょう.人類の欲望の餌食になった地球は何も言わず,発熱に耐えながらその時をじっと待っています.

 無言の地球を汚すのも,救えるのも我々人類です.人類は前世紀の過ちを真摯に受け止め,循環型社会の構築に向けて歩み出しています.

非再生エネルギー資源の残存量
(リビング北九州:2001年10月27日)


国策:新エネルギー開発の促進

以上のような事実を受け止め,平成14年の第154回通常国会で,枯渇しないエネルギー資源の有効利用として太陽光発電,風力発電,小容量水力発電,地熱発電,バイオマス発電を促進し,持続的に発展することができる社会の構築に資するための「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」が制定されました. また,最近発表された国策「新国家エネルギー戦略2030年目標」でも前述した新エネルギー資源の更なる有効利用が謳われています.

各種発電システムの二酸化炭素総排出量
(讀賣新聞:1998年4月22日)


地球を救うための議論に参加しましょう

 地球を救えるのは流体工学技術者/研究者であるとの自負の下,年次大会と流体工学部門講演会では毎回,標記オーガナイズセッションが企画されています.2006年度年次大会では,金元敏明(九州工業大学)と瀬戸口俊明(佐賀大学)がお世話をします.自然の流体が持っているエネルギー資源を活用する様々な研究成果を持ち寄り,肥後の国・熊本で地球を救うための議論をしましょう.

九州工業大学 金元 敏明 (turbo@tobata.isc.kyutech.ac.jp)

更新日:2006.2.6