マグナスカップ
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 回転しながら移動する物体にはたらく揚力の実験です。この物体には、流れの中で物体を回転させるときと同じ力が作用します。
- バックスピンをかけて飛ばすと、カップの下側では回転方向が流れと逆方向なので流速が遅くなり、圧力は大きくなります。一方、上側では回転方向が流れと同方向で流速が速くなり、圧力は小さくなります。上下の圧力差から上向きの揚力がはたらき、フワッと飛びます。
- 逆に、トップスピンをかけると、カップの下側では流速が速く、圧力は小さくなります。一方、上側では流速が遅くなり、圧力は大きくなります。上下の圧力差から下向きの揚力がはたらき、下に落ちます(揚力とは流れに垂直な力であり「下向き」もある)。下向きに落ちると今度は発射装置の方向に揚力が作用し、戻り始めます。
- このように流れの中で回転している物体に揚力が発生する現象を「マグナス効果」といいます。
- スポーツでは、遠くへ飛ばすときはバックスピン(野球のストレートボール、ホームラン性の打球、ゴルフなど)、コートに落とすときの基本の回転はトップスピン(テニス、卓球、バレーボールのドライブサーブなど)を使い分けています。
【キーワード】 | マグナス効果、ベルヌーイの定理 |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P170-173. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P196-197 および P90-95. |
更新日:2010.8.5