内向き流れが回転を速める
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- ターンテーブルの上に載せたたらいの中心に水の入ったトレイを固定しています。トレイの中心には穴があいていて、そこに鉛筆をさして栓にしています。
- ターンテーブルを回転させるとトレイの中の水も回転します。ここに、コーヒーに入れるクリームの粉をふりかけて水の流れを見えるようにします。トレイを黒く塗っておき、粉を見やすくしました。
- 鉛筆を抜くと穴から水が排水されて、トレイの中の水は回転しながら少しずつ回転中心(穴)に向かって流れていきます。「糸を短くすると速く回る」の実験と同じように、回転している水は回転中心からの半径が小さくなるにつれては速度を速めていきます。その結果、中心に近い所ほど半径に反比例して速く回転します。このことは「角運動量保存則」で説明することができます。
- 台風、竜巻、あるいは浴槽からの排水時にできる渦なども同様の流れです。回転する速度(周速)は中心からの半径に反比例して、中心付近で速度が大きくなります。このような渦を「自由渦」といいます。台風なども中心が近づくと風が強くなります。(ただし、台風、竜巻などの渦では中心付近の一部分だけは例外的に強制渦になります。)
- 動画の実験では、たらいの側面近くにレンガを4個載せています。これは回転中心から離れたところにおもりを載せることによって回転時の角運動量を大きくしているのです。このようにすると回転を長時間持続することができます。回転する物体の「慣性モーメント」という値を大きくしているのです(関心のある人は調べてみてください)。
【キーワード】 | 角運動量保存則、自由渦 |
【関連項目】 | 糸を短くすると速く回る、自由渦と強制渦、台風はどちら向きに回転? |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P52-61. |
更新日:2013.4.4