風力自動車
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- ゴム動力を利用してプロペラを回転させて走る自動車を作ります。
- プロペラの軸にゴムを掛けたものを自動車に固定します(ゴム動力部分は模型飛行機の工作キットの部品を使用)。タイヤの軸は自由に回るようにしておきます。
- まず、プロペラを逆方向に回転させ、ゴムを巻き上げます。
- プロペラを押さえている手を離すとプロペラが回転します。すると、風が後ろの方向に吹きます。このとき、プロペラは空気を後ろに押し出しますので、その反動(反作用)で自動車は前に進みます。
- このことをもう少し詳しく見てみましょう(拡大図)。回転しているプロペラにあたる風はプロペラによって向きを変えられ、後方に曲がります。このとき、流れを曲げるために空気に加えられた力と反対方向に、プロペラには「揚力」という力がはたらきます。すべての羽根にこの力がはたらき、その合力が前進する力になります。
- 今回の風力自動車は、以前に公開した「ウインドカー」と似ていますが、原理はまったく逆です。風力自動車は自分のエネルギー(巻いたゴムのエネルギー)を使って風を吹かせています。ウインドカーはまわりを吹いている風のエネルギーを吸収してプロペラを回して、そのエネルギーでタイヤを回転させています。
【発展】 | 家にある扇風機の羽を横から見てみましょう。風力自動車の羽根も扇風機の羽根もどちらも平面ではなく曲がっています(「そり」といいます)。風力自動車のプロペラの図とは逆方向に曲がっていることに気づくと思います。「風力自動車のプロペラ(前方側に凸)は後ろ向きに空気を流し」、「扇風機のプロペラ(後方側に凸)は前の方に空気を流す」という違いがあります。回転方向も逆にします。このようにすると、プロペラにはたらく揚力の向きも逆方向になり、空気を後ろに出すか、前に出すかの違いになるのです。 |
【キーワード】 | 回転翼、運動量理論 |
【関連項目】 | ジェット推進、ウインドカー1、ウインドカー2 |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P114-117、P192-197. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P222-223. |
更新日:2018.2.1