流れの速さを測る1(ピンポン玉風速計)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 風の速さ(風速)を測ってみましょう。用意するのは、ピンポン玉、分度器、糸、プラスチック板(厚紙でもよい)、ヘアピンです。
- プラスチック板を半円に切り、分度器を貼りつけます。分度器の中心にピンバイスなどで穴を開け、そこに少し拡げたヘアピンを差し込みます。ピンポン玉に糸を接着し、糸のもう片方を分度器の穴に通してセロテープなどで固定します。
- できた風速計で風速を測ってみましょう。ピンポン玉を扇風機の風の中に入れます。分度器の傾きをヘアピンでチェックして90°の方向が真下(鉛直下方)を向くようにします。ピンポン玉につないだ糸の方向から目盛りの値を読み取ります。動画では、およそ毎秒4~5mの風速でした。
- 風の中にピンポン玉を入れると、ピンポン玉には流れの方向に空気抵抗がはたらいて糸が斜めの方向になります。ピンポン玉には重力もはたらいていてこれらの力の比率から糸の方向が決まります。風が強いときほど糸は下流の方向に引っ張られますので、これを利用して風速を求めています。
- 風速は次の式で計算できます。
- それぞれの値は、風速、ピンポン玉の質量m (kg)、重力加速度の大きさ=9.8m/s2、糸と鉛直方向(真下の方向)とのなす角θ(rad)、球の抗力係数Cd =約0.4、空気の密度ρA(1気圧、20℃、乾燥空気の場合は1.20kg/m3)、円周率π=3.14、球の直径d (m)です。単位は、kg、m、sで表してください(g、cm、mmは使わない)。
- 動画では硬式球を使い、d =0.0397m(=39.7mm)、 m =0.0027kg(=2.7g)です。硬式球では、直径d =40mmとされていますが、実測した値を使いました。
- それぞれの値は実際に測ったり、調べたりしないといけないのですが、少しむずかしいのでだいたいの値を次の表に示しておきます。1気圧、20℃のときとして、硬式球はd =39.7mm、m =2.7gと仮定、およびラージボールはd =44mm、m =2.3gと仮定しました。風速計の目盛りはこれらの値で入れました。これらはあくまでも大まかな値でして、もっと正確に測ろうとすれば実際のボールの直径、質量、気温、大気圧、湿度などの条件に合わせる必要があります。
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【注意】 | 流速を測定するときは、流れのじゃまをしないように気をつけてください。たとえば、手や体の一部が測定するところの近くや上流にあると流れを変えてしまい、流速の値が変わってしまいます。 |
【キーワード】 | 流速測定、抗力、空気抵抗 |
【関連項目】 | 風やゴムのはたらき、重い球と軽い球 |
【参考】 | 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P54-55およびP58-59. |
更新日:2018.6.1