流れの速さを測る3(ピトー管)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 曲がるストロー2本を使ってピトー管という流速測定器を作ってみましょう。
- ストロー2本を合わせてセロテープでつなぎます。つなぎ目から中の水がこぼれないように注意してセロテープを巻いてください。
- その中に水を入れます。水は外からでも見やすいように絵具やインク、なければしょうゆなどで色を付けておきます。ピトー管を使うときは、中の水がこぼれないようにピトー管を横に倒すなどしないでください。
- 例としてドライヤーからの風速を測ってみましょう。吹き出した風の中にストローの先端が流れの上流方向を向くように入れ、ストローの長いほうはまっすぐ縦に(鉛直方向に)立てます。そうすると先端で流れがせき止められ、圧力が上昇します。その結果、ピトー管内の左右の水面の高さの差ができます。
- 水面の高さが安定したら目盛り板を当てて流速を測ります。目盛り板の下の辺(高さ0の位置)を低いほうの水面の高さに合わせます。もう一方の高い水面の高さを目盛り板の数値で読み取ると流速になります。
- この流速計の目盛り板について説明します。流速は次の式で計算できます。
- 計算するのがたいへんなので、あらかじめ目盛り板を作っておくと便利です。上式から高さと流速の関係を計算すると次の表のようになります。これらの値から目盛り板の目盛りを入れておきます(表の高さをわかりやすくするためにcm単位にしました)。ただし、流速が遅い場合は水面の高さの差が小さくなり、正確に測ることはできません。
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- ピトー管は流れの速さだけではなく、空気中で運動する物体の速度測定にも使われています。飛行機やレーシングカーなどではボディにピトー管を取り付けておきボディに対する相対速度を測ります(ただし、水の高さを利用するのではなく、圧力センサで圧力差を求めて速度を算出)。物体の速度が非常に速い場合には(周囲の空気の風速を無視して)測定された速度は近似的に物体の速度(飛行速度や走行速度)になります。
【注意】 | ・流れが速いときや急に流れを当てたときなど中の水が飛び出して、体、衣服や家の中を汚してしまうことがありますので注意してください。また、ピトー管を横に倒したり、さかさまにしたりすると中の水がこぼれますので注意してください。 ・流速を測定するときは、流れのじゃまをしないように気をつけてください。たとえば、手や体の一部が測定するところの近くや上流にあると流れを変えてしまい、流速の値が変わってしまいます。 |
【キーワード】 | 流速測定、ピトー管 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P110-113. |
更新日:2018.6.1