流れの速さを測る4(傾斜型ピトー管)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 「流れの速さを測る3」のピトー管は、流れが速いときはよいのですが、遅いときは水面の高さの差が小さく、うまく測れません。そこで、ピトー管を傾斜させてもう少し遅い流れでも測れるように改良してみます。
- ここでは、水平に4、縦に1の割合で傾斜した台を作って実験しています。このようにすると、左右の水面の高さが拡大されて、2つの水面の距離xが読みやすくなり、遅い流れでも測りやすくなります。
- 流れの上流方向にピトー管の先端を向けると、2つの水面の距離が拡大されていることがわかります。目盛り板の下の辺(流速0の位置)を下側の水面の位置に合わせ、もう片方の水面までの距離を読み取ります。そのときの値が流速になるように目盛り板を作っておきます(目盛り板の作り方は後で説明します)。
- 水面と斜面とのなす角をθとすれば、流速は次の式で計算できます。
- 計算するのがたいへんなので、目盛り板を作っておくと便利です。上式から距離xと流速vの関係を計算すると次の表のようになります。これらの値から目盛り板の目盛りを入れておきます(表の距離xをわかりやすくするためにcm単位にしました)。
傾斜型ピトー管(水平4縦1の傾斜面)
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【注意】 | ・流れが速いときや急に流れを当てたときなど中の水が飛び出して、体、衣服や家の中を汚してしまうことがありますので注意してください。また、ピトー管を横に倒したり、さかさまにしたりすると中の水がこぼれますので注意してください。 ・流速を測定するときは、流れのじゃまをしないように気をつけてください。たとえば、手や体の一部が測定するところの近くや上流にあると流れを変えてしまい、流速の値が変わってしまいます。 |
【キーワード】 | 流速測定、ピトー管 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P110-113. |
更新日:2018.6.1