体積を測る1(アルキメデスの原理)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 浮力の性質を使って物体の体積を測ってみましょう。まず、水に沈む物体からです。
- 水の入った容器をはかりの上に乗せます。重さの表示を0にリセットしておきます(0リセット)。
- まず、トングの体積を測っておきます。トングを目印の線まで沈めて表示された重さをg単位で読み取ります。この動画では、3.7gでした。そうすると、トングの水中部分の体積はおよそ3.7cm3となります。(トングを入れた状態ではかりを0リセットする方法もあります。この動画撮影では、トングを持つ手が動き、うまく0リセットが取れませんでしたので動画のようにしました。)
- これは、アルキメデスの原理といって、「水中(流体中)にある物体にはたらく浮力の大きさはその物体が押しのけた水(流体)の重さに等しい」ということを使っています。はかりに表示された3.7gは浮力の反力(浮力と作用/反作用の関係)の大きさで物体にはたらく浮力の大きさに等しいのです。水の密度はおよそ1g/cm3ですので、水の重さが3.7g(正式にはg重、gw)、その水の体積はおよそ3.7 cm3であることがわかります。この体積は物体が押しのけた水の体積、つまり物体の体積となります。
(表示された重さ[g])=(水の体積[cm3])=(物体の体積[cm3])
結論は、はかりの表示が3.7gであれば、物体の体積はおよそ3.7 cm3となります。 - 次に、測りたい物体をトングでつかみ、水の中に入れます(糸でつるしてもよい)。このとき、物体が底につかない、水面から出ていない、気泡が付いていないことに注意しましょう。
- 表示された重さをg単位で読み取ります。もし、表示が16.6gであれば、その物体の体積は、
16.6 g - 3.7 g = 12.9 g ⇒ 物体の体積は 12.9 cm3 と求まります。 - このようにしてそれぞれの体積が、ビー玉 12.9 cm3、石 12.2 cm3 と求まりました。
- 次に、10円玉の体積を測ります。10円玉の体積は小さいので、正確に測るために10枚分の体積を測ります(このようにたくさんで測ると測定精度がよくなります)。トングではつかみにくいので、カップを用意し、これに入れて測ります。10円玉10枚をカップに入れて水中につるします。気泡が残らないようにていねいに気泡を取り除きます。動画では、表示された重さ6.5g、カップの重さ1.8gでしたので、10枚で 6.5 ― 1.8 = 4.7 cm3、1枚あたり0.47 cm3と求まりました。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | 浮力 |
【関連項目】 | 体積の測定、体積を測る2 |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P48-51 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P188-189 |
更新日: 2021.6.1