水と石はどっちが重い?(密度とは)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 浮力を利用した体積の測り方「体積を測る1」の応用を紹介します。
- 水と石ではどちらが重いかを確かめるために、水の中に石を入れてみます。
- 石は水に沈んで、水よりも重いことがわかります。
- ところで、本当に石は水よりも重いのでしょうか?
石の重さは33.7g、容器の中の水は250gで、水の方が重いですね。何かへんですね? - 水は量によって重さは変わりますので、全体の重さで比べても、水に浮くとか沈むとかはわからないのです。
- このように水に浮くのか、沈むのかを考えるときは全体の重さではなく、同じ大きさ(体積)で物質の重さを比べないといけないのです。
- そこで、「密度」という値を使って比べます。
(密度)=(質量)÷(体積)
(質量は地球の上で測ると重さと同じ値になります。重さ100g(正式にはgw:グラム重という)であれば質量100gです) - この密度という値を使うと物質自体の重さを比較できます。水に浮くとか、沈むとかがわかります。
- 使った石の密度を測ってみましょう。「体積を測る1」の方法で石の体積を測ります。
- 水を入れた容器をはかりの上に乗せてゼロリセット(表示を0gにする)しておきます。
- トングを目印の線まで沈めて、トングの体積を測ります。はかりに3.7gと表示されれば、体積がおよそ3.7cm3であることがわかります。
- 次に、石の体積を測ります。石を水の中の中間まで沈めると、表示された値から体積がわかります。たとえば、16.5gと表示されれば、16.5-3.7(トング) = 12.8 cm3が石の体積です。
- 次に、石を底に沈めます。このときに表示される値が石の重さ(質量)です。たとえば、33.7であれば、33.7gの重さ(質量)となります。
- 以上の結果から、密度は次のように計算できます。
(密度)=(質量)÷(体積)=33.7 (g) ÷ 12.8 (cm3) = およそ2.6 (g/cm3) - 水の密度はおよそ1.0 g/cm3 ですので、これより密度の大きな石は沈みます。「石は水よりも重い」という言い方をします。正式には「石は水よりも密度が大きい」と言う方が正確です。
- このように、物質そのものの重さ(質量)を比較するときに「密度」を使います。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | 浮力 |
【関連項目】 | 体積の測定、体積を測る1 |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P48-51 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P188-189 |
更新日: 2021.8.1