持ち上げるとふくらむ風船
まずは見てみよう!
どんな実験?

実験手順と種あかし
- ペットボトルの中に風船があります。
- ペットボトルを持ち上げると中の風船がふくらみます。なぜでしょうか?
- ひみつはペットボトルの底に穴が開いていることです。この穴でペットボトルの中の水は外側の水とつながっています。
- ペットボトルを持ち上げると、ペットボトルの中と外の水位に高さの差ができます。水位の低い所は圧力は高く、水位の高い所は圧力が低くなります。そのため、風船のまわりの空気の圧力は大気圧(外側の水面の圧力)よりも低いので風船がふくらんだのです。このように大気圧より低い圧力のことを負圧といいます。
- 「ペットボトルの中の風船」と同じ原理で、まわりを負圧にすることによって風船をふくらませています。
- このとき、ペットボトルの中の空気の圧力は、 
 (圧力の差)=(水の密度)×(重力加速度)×(水位の高さの差)
 で計算できます。
-  たとえば、水位の差が20cm(=0.20m)の場合、水の密度(1000 kg/m3。gとcmで表すと1 g/cm3ですが、他の値と単位をそろえて1000を使う)、重力加速度(およそ9.8 m/s2)を代入すると、 
 (圧力の差)= 1000×9.8×0.20 = 1960 パスカル(Pa)だけ大気圧より低いことになります。
 これは、大気圧(1気圧)のおよそ50分の1くらいの小さな圧力の差です。
- 風船は、取り付ける前にしばらくふくらませておいておくとゴムが弱くなるのでふくらみやすくなります(これがコツ)。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
| 【キーワード】 | 深さと圧力、負圧 | 
| 【関連項目】 | |
| 【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P38-41. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P18-19. | 
更新日:2022.6.1
       
