水を吸い上げるペットボトル
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- ペットボトルとカップの中の水がビニールホースでつながっています。
- ビニールホースのペットボトル側の端はカップの水面より高い位置にあります。このビニールホースでカップの水を吸い上げてみましょう。
- カップを一度持ち上げてビニールホースの中の空気を抜きます。カップを元に位置に戻すと、カップの水が吸い上げられていることがわかります。カップの水面より高い位置まで吸い上げられています。なぜでしょうか?
- ペットボトルの底には穴が開いていて、中の水は外側の水槽の水とつながっています。ペットボトルを持ち上げると、ペットボトルの中の水位は水槽の水位よりも高い位置になります。そのため、高い位置にあるペットボトル内の水面では大気圧より低くなっています(負圧)。水位の差をh1とすれば、その圧力差は「持ち上げるとふくらむ風船」で説明したように、
(圧力の差)=(水の密度)×(重力加速度)×(水位の高さの差h1)
で計算できます。 - 一方、ビニールホースの出口の高さとカップの水位との高さの差をh2とすれば、その圧力差は、
(圧力の差)=(水の密度)×(重力加速度)×(高さの差h2)
になります。 - h1が大きくなるようにペットボトルとカップを持ち上げて、h1 > h2 にすれば、ビニールホース出口の圧力よりもペットボトル内の空気圧が低くなり、カップの水が吸い上げられるのです。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | 深さと圧力、負圧 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P38-41. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P18-19. |
更新日:2022.6.1