4枚に分かれた?
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 2018年8月に公開した「丸い紙を筒に落とす」は、丸く切った紙を筒の中に落とすと、ゆっくり落ちていくという実験でした。今回は、落とすものをくふうした実験をやってみましょう。
- はじめに、筒の中に丸い紙を落としてみましょう。丸い紙の大きさは筒の内側よりも少しだけ小さいものを使います。丸い紙は水平を保ったまま筒の中をゆっくり落ちていきます。
- 紙と筒のすきまを下から空気が通り抜けていきますが、すきまがせまいため粘性のはたらきによって空気はゆっくりと通過していきます。そのため紙はゆっくり落ちていくのです(粘性とは、空気や水を速く変形させようとするときに抵抗がはたらくという性質です。この実験では空気がすきまを通過するのを遅くしています)。
- 紙が下についたら、筒の上下をひっくり返します。紙は下に落ち始めますが、4枚の紙に分かれます。 はじめに1枚のように見えていた紙は、実は4枚だったのです。4枚の紙の大きさ(直径)は少しずつ違っていて、はじめに筒に入れた状態では、下の方が大きく、上の方が小さくなるように順番に重ねておきます。こうすると4枚の紙は重なったまま落ちていきます。
- 帰りは上下が逆になって、下の方ほど丸い紙は小さく、つまり筒とのすきまが広く、空気が流れやすくなり、速く落ちるのです。そのため、4枚の紙の間隔はしだいに広がって、4枚に増えたように見えるのです。
- 丸い紙の大きさ(直径)を少しずつ変えるには、コピー機の拡大縮小機能を使うと便利です。元の基準の丸を紙に描いておき、1~2%くらいずつ倍率を変えてコピーをとります。あとは、はさみでていねいに切ってください。
- 筒は学校ならメスシリンダーなどを使うといいです。この動画では、アクリルパイプ(直径7㎝、長さ50cm)にアクリル円板(直径10cm)をアクリル用接着剤で接着して作りました。他には、断面が丸いペットボトルを2~3本分つなぎ合わせても作れます(丸い紙を筒に落とす)。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | 粘性、空気抵抗 |
【関連項目】 | 丸い紙を筒に落とす、水平にした円板を筒に落とす |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P19. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P24-25. |
更新日:2023.10.1