茶葉を集める
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- マグカップに沈んでいる茶葉を一カ所に集めてみましょう。
- スプーンで水を回転させ、スプーンを引き上げます。しばらくすると、底にある茶葉が中央に集まってきます。
- カップの底に近い所では、粘性のはたらきにより水の回転速度が遅くなっています。その分だけ遠心力が小さくなります。(なお、流体力学では、渦のように回転する流れを扱うときにしばしば回転する流体粒子に乗って現象を観察する場合(回転系)があり、ここでもそのように考えて見かけの力、遠心力を使って説明しています。)
- 一方、底から離れた上層部では、粘性のはたらきが弱く、速く回転しています。そのため、底の水よりも大きな遠心力がはたらきます。
- 回転している水の中では遠心力により外側ほど圧力が大きくなっていますが、底では遠心力が小さいため外側の高い圧力に押されて内向きの流れができます。その流れは中央で上昇し、上層部で外向きに、側面に沿って下がり、循環することになります。
- 全体の流れ(主流)としては回転しているのですが、この流れと垂直な方向の流れの成分ができたことになり、このような流れを二次流れといいます。茶葉はこの二次流れによって中央に集められたのです。
(松田卓也先生(神戸大学名誉教授)から遠心力の表現について誤解を招きやすいとの指摘がありましたので、説明を追加しました。)
【キーワード】 | 渦、二次流れ |
【関連項目】 | たらいで二次流れ、遠心力 |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P60-61. |
更新日:2012.5.28