噴水5(ヘロンの噴水)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 右のバケツの水をビニールホースで下に流すと、左側のペットボトルから水が噴出します。バケツと左のペットボトルとの水位の差はあまりありません。
- これはヘロンの噴水の原理を使ったものです。右側のバケツからサイホンの原理を利用して水を下に流します。その先をたどると空気の入ったペットボトルへ到達し、中の空気を圧縮してその圧力を高めます。下のペットボトルにはもう1本のビニールホースが接続されていて、これを通じて空気が上に流れていきます。その先に噴出用のペットボトル(上部左側)があり、下からの空気はその中に入って内圧を高めます。その結果、上部左側のペットボトルから水が噴出します。
- 噴水の高さAは上流側のバケツの水位よりもずっと高くなります。この高さのエネルギー源はバケツと下のペットボトルとの間の落差(高さB)なのです。高さBによって下のペットボトル内の空気の圧力が上昇します。この圧力とほぼ同じ圧力によって上部左側のペットボトル内の空気と水は押されます。つまり、高さBによって発生した圧力によって水が噴出するのです。噴水の高さAは高さBよりも小さくなりますが、両者の差はビニールホース内などで発生するエネルギー損失に相当します。その分だけ噴水高さAは高さBよりも低くなります。しかし、高さBを大きくしておけば高く上がる噴水ができます。
【キーワード】 | 水深と圧力、位置エネルギー |
【関連項目】 | 噴水1、水の高さとエネルギー |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P38-41、P98-101 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P18-19、P192-193 |
更新日:2014.4.1