深い所のボールを取り出す2
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 深い筒に入ったボールをドライヤーの風で取り出してみましょう。用意したのは、発泡スチロール製の直径5cmのボールです。筒の内径(内側の直径)は6.3cm、深さ50cmです。
- ドライヤーで風を吹いてもうまく出ません。風が底まで届かないからです。
- そこで、ドライヤーを傾けて筒の外側に近い所を吹いて竜巻のような渦を作ります。するとボールが回転しながら浮き上がりました。
- 渦の中心付近は圧力が小さく、外側は圧力が大きくなります。これは遠心力のはたらきによるものです。ボールの上側でも中心付近は圧力が小さく、外側は圧力が大きくなります。ボールの下側は渦の外側の高圧とほぼ同じ圧力になり、ボールの上下の圧力差によってボールは浮き上がります。
- 卵形の発泡スチロールでも同じように取り出すことができました。
【注意】 | 「遠心力」とは見かけ上の力で実在しないものです。回転しているものに乗って現象を観察するとき(回転系)に見かけ上遠心力がはたらいているとみなすことができます。ここでは、遠心力によって空気が外側に押され、外側ほど高圧になっているという説明を行っています(静止した座標系と回転系で同じ圧力分布になります)。 |
【キーワード】 | 渦、圧力 |
【関連項目】 | ボールや卵を筒から取り出す、遠心分離、深い所のボールを取り出す1 |
【参考】 | 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P52-61 |
更新日:2017.2.1