ペットボトルの水を早く出す4(ストローを入れる)
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- 長いストローを用意して、これをペットボトルに入れるとどうなるか、たしかめてみましょう。
- まずストローの口を指でおさえます。これをペットボトルの中に入れます(ストロー内は空気で満たされています。指を離さないように)。
- ペットボトルをさかさまにするのと同時にストローの口をおさえている指を離します。
- 水はいきおいよく流出します。流出時間は6.00秒で、はじめの実験(14.14秒)の半分以下に短縮されました。
- 長いストローがない場合は、ビニールホースなどでもできます。短いストローしかない場合は、それでためしてみてください。結果はどうなるでしょうか。
- この実験は、はじめにストロー内が空気で満たされていることがポイントです。
- 次に、ストロー内に水が入っている場合はどうなるか、たしかめてみましょう(失敗例)。
- まず、ストローの口をおさえずにペットボトルに入れます(中は水で満たされる)。
- ペットボトルをさかさまにすると、ペットボトルの口付近では、ストローの外側から空気が吸い込まれ、水の流出がじゃまをされていることがわかります。流出時間は12.98秒でストローの効果はほとんど出ていません。このように、ストロー内に水が入っている場合は失敗します。
- ストローの下端は大気圧、上端の水圧は大気圧より低くなっています(上下の高さの分だけ浅い上部は水圧が下がる)。前半の実験では、ストロー内は空気なのでこの圧力差によって空気は上向きに流れます。つまり、吸い込まれます。しかし、後半の実験ではストロー内の水の重さがあり、これを吸い上げることができず、空気の通り道が確保できなくなったのです。空気はストローのまわりから吸い込まれて泡がたくさんできます。空気の通り道としてストローが機能していないのです。
(途中から流出が速くなりますが、これはペットボトル内の水面がストロー上端より低くなったときに、ストロー内の水が流出して空気で満たされて、ストローからの空気の吸い込みが始まったからです)
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | 水の流出、水深と圧力 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P98-101. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P18-19、P192-193. |
更新日:2025.10.1