水のドームが大きくなる理由
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- ドーム内の圧力やコアンダ効果はドームを大きくするおもな理由にはなりません。
- ここでは、表面張力について考えてみます。まず、表面張力が水のドームを作るのにどのようなはたらきをしているのかを確認しておきましょう。
- はじめにキャップに当たった水は、慣性のはたらきによって水平方向に飛び出します。同時に、重力によって下に下がっていきます。また、水などの液体は、表面積を小さくするように表面でお互いに引っ張り合う力がはたらきます。これを表面張力といいます。水のドームの水の膜にもこの表面張力がはたらいて、表面積を小さく縮めようとしています。これは「たる」や「おけ」に付いている「たが」と同じはたらきをしています。外側に拡がろうとするはたらきを抑えています。そのため、水の膜ははじめに水平に拡がり始めますが、重力によって下に曲がりつつ、表面張力のはたらきでドームを小さくしようとして、それでドームが形作られるのです。
- 指で水の膜にふれると、膜が切りさかれます。表面張力のはたらきが弱まり、たががゆるんだのと同じようにドームは外側に拡がると考えられます。
- まとめると、指で水の膜を切り開いて表面張力のはたらきを弱めて(たがを弱めて)ドームが大きくなったのです。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【注意】 | 実験で水を使いますが、水は大切な資源です。むだにしないように使った水をためておいてお風呂、そうじ、植木の水やりなどに利用してください。 |
【キーワード】 | 表面張力、慣性 |
【関連項目】 | |
【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P62-67. 石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P48-49. |
更新日:2022.8.1