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3個のボールを浮かべる1

まずは見てみよう!

どんな実験?

実験手順と種あかし

  • 前に「2つの発泡スチロール球を浮かべると」という実験を紹介しました。2つの発泡スチロール球をサーキュレーターの風の中に浮かべるという実験です。
  • 今回は3つの発泡スチロール球をサーキュレーターの風の中に浮かべてみましょう。発泡スチロール球は中空(直径10cm、中が空洞で2つ割り)のものを使います。
  • サーキュレーターの風の中に3つの球を入れると、お互いにぶつかり合ったり、あばれたりしますが外には落ちません。
  • この原理は2つのときと同じです。球が流れの外に出そうになると、球の近くの流れが球に沿って曲げられて(コアンダ効果)外に流出します。このとき、球と流れの間にはお互いどうしを引き寄せ合う向きに力がはたらきます。流れには外向きの力がはたらいて、この力によって流れが外向きになるのです。流れが外に出る代わりに、球には内向きの力がはたらいて流れの中に引きもどされます(作用・反作用の法則)。このようにして、それぞれの球は外に飛び出さないのです。
  • 次に、3個の小さな球(6㎝、中はすべて発泡スチロール)を浮かべてみます。
  • 大きな球(10cm、中が空洞)のほうが小さな球よりも中にもどりやすいことがわかります。これは、大きな球の中がからっぽで軽いこと、大きいほうが空気抵抗(この実験の場合上向きにはたらく)が大きくなること(面積に比例)、流れの中心に近い側の球のまわりの流れが速いので中にもどす力も大きくなることがその理由です。逆に小さな球は中にもどす力が小さく、外に出やすくなります。
  • なお、この実験ではサーキュレーターを使っていますが、扇風機よりもうまく実験できます。扇風機はまわりを涼しくするために流れをまわりに拡げるように作られています。これに対してサーキュレーターは遠くまで空気を送るため、流れを拡げずに遠くまで届くように作られているので、この実験に適しているのです。
  • この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 物体まわりの流れの性質、コアンダ効果
【関連項目】 2つの発泡スチロール球を浮かべると出そうで出ないボール
【参考】

石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P128-133.

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更新日:2024.12.1