水位を変えると流出速さはどう変わる?
まずは見てみよう!
どんな実験?
実験手順と種あかし
- サイホンの実験をするとき、水面の高さを変えると流出速さはどう変わるのでしょうか?
- 水面が高いときは出口の流速は速く、いきおいよく流出します。やがて時間がたって水面が低くなると流速は遅くなります。
- そこで、水槽の底から水面までの高さ(これを水位と呼ぶことにします)を変えて、中の水が流出するのにかかる時間を比べてみましょう。
- はじめに水位25cmから始めると、流出するのにかかる時間は65秒でした。次に水位を12.5cmから始めると、流出時間は43秒になりました。水位が半分なので流出時間も半分(32.5秒)になるのではと思った人もいるかもしれませんが、実際にはそれよりも時間がかかりました。
- それぞれの瞬間の流出速さは、その瞬間のホースの一番下から水面までの高さ(上流と下流の高さの差)によって変化します。おおよその計算ですが、流速はその瞬間の上流と下流の高さの差のルート(根号)に比例します。実際には、他のさまざまな影響によってこれとは違ってきますが、おおざっぱな見積もりとしては「高さの差のルートの値」に比例すると考えられます。
- 今回の実験では、ホースの一番下は水槽の底の高さに近かったので、水位(水槽の底から水面までの高さ)で近似して計算すると、水位を半分にすると全部の水が流出するのにかかる時間は約70%くらいと予測できます。水位25㎝で65秒だと、水位12.5㎝で約46秒と予測できます(実験では43秒)。
- この予測は実際の時間と少しずれていますが、高さの差、ホースの太さ、長さなどさまざま影響によるものと考えられます。どのような影響を受けるのかを自由研究のテーマにするのもいいかもしれません。
- ホースの長さや太さを変えると流出速さがどう変わるのかは、「短い管と長い管」と「太い管と細い管」で実験しています。ホースは太くするほど、短くするほど抵抗が小さくなり、流れが速くなります。関心のある方は参考にしてください。
- この実験動画はJSPS科研費 18K03956の助成を受けて制作しました。
【キーワード】 | サイホンの原理、水深と圧力 |
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【参考】 | 石綿良三・根本光正「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P38-41、P98-101. |
更新日:2025.2.1