ニューズレター

流れ 2011年4月号 目次

― 特集テーマ: 流れの夢コンテストの10年 ―

  1. 巻頭言
    (塚原,菊地,久芳)
  2. 夢コンの舞台裏と表舞台あれこれ
    松村 昌典(北見工業大学)
  3. アイデア一本を何十倍にも面白く見せる方法
    村井 祐一(北海道大学)
  4. 尺八の発音と息流ジェットの挙動の観察 〜流れの夢コンテストに参加して
    植松 洋一,鹿野 一郎,高橋 一郎(山形大学)
  5. 流れの夢コンへの挑戦
    望月 修(東洋大学)
  6. 流れの夢コンテストに参加して
    杉本 康弘,佐藤 恵一(金沢工業大学)
  7. 流れの夢コンテストへのチャレンジ 〜参加者と実行委員の立場から
    鵜飼 涼太,長田 孝二,酒井 康彦(名古屋大学),久保 貴(名城大学),寺島 修(名古屋大学)
  8. 第10回流れの夢コンテストに参加して
    早水 庸隆,西田 五徳,丹波 享,石田 憲保,仲田 悟,松田 達也,安田 直幸(米子高専)
  9. 流れの夢コンテストへの挑戦と成果
    渕脇 正樹(九州工業大学)

 

夢コンの舞台裏と表舞台あれこれ


松村昌典
北見工業大学

1.はじめに

  縁あって,私は2008年に札幌で開催された第8回(http://www.jsme-fed.org/contests/yumecon2008/index.html)の実行委員長を仰せ付かりました.2007年の秋に第7回が終わり,その後,第7回の実行委員長からずっしりと重たい引き継ぎ資料が届きました.そこから準備と残務整理を含めた約1年間にわたって,夢コン(「流れの夢コンテスト」の略称)に追われる日々となりました.今回,夢コンに関する記事を執筆させていただくことになりましたので,私の個人的な視点から,第8回夢コンの実行委員長として感じたことを思うがままに述べさせていただきます.またこの第8回目がきっかけとなり,私どもの研究室の学生は第10回目まで3年連続してコンテストに参加させていただき,賞をいただいたこともありました.そこで参加者としての話しもさせていただきたいと思います.

 

2.夢コンとは?

 「流れの夢コンテスト」は2001年に始まり,かれこれ10年も続いています.私自身は第1回目からコンテストの存在は知っていましたが,しばらくの間は傍観者の立場でした.その理由の一つは,「流れ」と「夢」が結びつく意味が理解できず,主旨も実際の競技内容も非常に漠然としており,具体的に何を競うコンテストなのか,なかなかイメージできなかったためだと思います.そのため,学生には参加を積極的に勧めることはありませんでした.これは実行委員長を経験しなければ,その状況は変わらなかったかもしれません.この読者の中にも私と同様に感じている方も少なからずいらっしゃるのではないかと思います.そこで実行委員長を経験した立場から,夢コンの目的や主旨について始めに簡単に述べさせていただきたいと思います.

 夢コンの前には「洋上セミナー」という部門企画があり,参加者は北海道行き(沖縄行きの場合もあり)の長距離フェリーに乗船し,船上で講義や討議,流れに関係するデモンストレーションや競技などが実施されたそうです.「夢コン」はこの「洋上セミナー」に代わる企画として発案され,特に将来の技術立国を担う学生の発想力と行動力を,コンテストという形で育成しながら支援することを目的にスタートしました.詳しいことは私も実行委員長をするまで知りませんでしたが,引き継ぎ資料の中に,このコンテストの目的が明確に述べられているものがありました.それは本コンテストの運営費に対する支援を企業にお願いするときに添付する書類(コンテストの概要を説明した企画書)に記載されていたものですが,ここで紹介したいと思います.

-----「流れの夢コンテスト運営に対するご支援のお願い」に添付する企画書から一部抜粋-----
  コンテストの目的: 「近年,産業界を含め,高等教育関連分野において「ものづくり」の重要性が指摘され,高等専門学校そして大学教育において,創成科目,PBL(Project Based Learning)的科目の導入が盛んに行われております.学生の「ものづくり」の対象として,流体力学あるいは流体工学は格好の対象と考えます.なぜなら我々は流体に囲まれ生活し,流体を利用して生活し,かつ飛ぶことに代表されるように流体に憧れを感じて育ってきているからです.このような背景のもと,大学生(および高専生)の流体力学・流体工学そして「ものづくり」への興味を喚起し,その発想力・製作力・解析力・表現力などを大きく育成するものとして,2001年度から「流れの夢コンテスト」として,コンテストが企画・開催されております.本主催者が設定したテーマに沿って,学生は流体力学の知識をフルに生かして,問題の明確化,情報収集・分析,問題点の把握,解決案の作成などを行い,アイデアを製品にかえる「設計過程」を学び,流体工学への意識を高めることを目的としております.現状では大学などでの一般的学習そして卒業研究などの「ものづくり」成果を発表する機会はその重要性にもかかわらずほとんどありません.日本機械学会では流体工学部門を中心として本コンテストを開催し,そこへの学生(若い技術者の卵)の参加・発表そして意見交換,そして場合によっては賞賛あるいは批判をとおして,「次世代の日本のものづくりを担う機械系技術者の育成」を計る,ことを目指しております.


私はこの文章を目にして初めて夢コンの目的を理解することができました.そしてそれと同時にこの目的に沿ったコンテストが実施できるか不安も大きく,責任の重さを痛感した次第です.

 

3.テーマはどうする?

  夢コンでは毎回新しいテーマが設定され,参加者はそのテーマに則した作品を出品します.とはいえ,歴代のテーマを見ると漠然としたものが多く,したがって流れにまつわるものであればどんなものでも,そのテーマに結びつけることができてしまうのが実状です.ちなみに第7回までのテーマを紹介すると,「生物と流れ」「ドリーム・マシーン」「見る・聞く・触る」「健康」「流れのびっくり箱」「エコノミー・エコロジー」「流れと遊び,学ぶ」となっています.

  有名なロボコンでは,例えば「敵の陣地内で積み木を10段重ねなさい」というように,具体的で明確なミッションが提示され,その達成過程を競い,勝敗が明確に決まるコンテストになっています.しかし本コンテストはそれと異なり,曖昧で漠然としたテーマを設定するのが特徴です.したがってどんな流れ現象でも,設定テーマにこじつけた解釈が可能です.すなわち,「何でも良いから,流れを使って面白いことをしよう.」→「面白いものができたら,テーマに合わせてこじつけた解釈をすればよい.」というプロセスも可能です.これは幅広いアイデアを募ることができ,参加者の裾野を広く取ることができる点では良い方法かもしれません.しかし逆にあまりにも何でもOKなので,始めの取っ掛かりが何も無く,かえって何をしたらよいのかわからず,困惑する場合もあるかもしれません.またコンテストなので作品の優劣を判断しなくてはいけないのですが,曖昧なテーマだと,審査基準も曖昧になってしまいます.そこで適度な間口の広さと具体性をもつテーマを設定することが必要であると感じています.

  第8回のテーマは,幹事の先生と色々と検討したのですが,最終的には「夢と魔法の教材」になりました.「教材」というと,ちょっと堅苦しい感じがしますが,どんな流れ現象でも,それを扱えばその教材になるわけで,かなり広いテーマ設定になっています.その教材に驚きや感動を与える点がポイントであり,それを「夢と魔法」という言葉で表現しました.決して有名なテーマパークのパクリではなく,熟考の結果ですので誤解のないように.

 

4.参加者募集 −たくさんの応募をお待ちしております−

  参加者があまりにも少ないと,コンテストとして成り立たなくなってしまいます.当然主催者側の気持ちとしては,多くの人に興味を持っていただき,多くの参加者が集まることを期待しています.参加者が多いほどコンテストとしては盛況で大成功と言えるのかもしれません.しかし本当は参加者が多すぎると,実際問題として会場,時間,予算等に問題が生じてしまいます.会場は参加者が確定する前に確保しておかなければいけないので,予想より参加者が多すぎると展示スペースの確保に困ります.参加者には作品を説明するプレゼンの機会を与えているのですが,参加者が多くなると,このプレゼンにかかる時間が多く必要となり,とても1日で終わるコンテストになりません.そして一番悩ましいのが予算です.本コンテストの予算は参加者数に関係なく,あらかじめ決められた予算で実施しなくてはなりません.しかも参加者には上限を決めた上で製作費や旅費を補助するのですが,実際に参加者が請求してくる補助の金額は,コンテスト当日まではまったくわかりません.そこでその補助の上限値は,あらかじめ予想した参加者数から決めるのですが,参加者が増えると,予想以上に補助金額が膨らむ可能性もあります.赤字は絶対に許されません.

  一方参加者の立場からすると,いくらまで補助してもらえるのか,早く確定してくれないと,参加者としての予算計画も立てられません.補助金が少ないと,良いアイデアがあっても予算が足りず,参加を断念する場合もあるかもしれません.そこで主催者側としては,できるだけ多くの補助金を,できるだけ早急に確定してあげたいと思うのですが,このような事情から,なかなか金額を確定できず,「製作費や旅費の一部を補助します」という表現でごまかすしかありません.「一部」ってどのくらい?,と聞かれても,なかなか明確にお答えできず,参加者に不安を与えてしまいました.これは非常に心苦しく思っているのですが,お許しいただくしかありません.

 

5.応募〆切日(機械学会の慣例ですが.....?)

  前述したように,主催者側としては参加者数にハラハラ・ドキドキです.少なすぎても多すぎても困りものです.さて,実際に応募受付が始まると.......全く反応がありません.これでは少なすぎて困ることになるのではないかと,毎日心配が募るばかりでした.〆切の3週間前にようやく1件の申込みをいただきましたが,またしばらく無反応です.〆切の2日前に若干申込みがありましたが,〆切日のお昼頃でも,やっと4件に達しただけでした.やはり機械学会の慣例になりつつあるように,申込み〆切日を延長せざるを得ないかなと思っていましたが,〆切日の18:00を過ぎた頃からポツリポツリと申込みがあり,深夜までには,10件を越え,最終的には14件の申込みをいただきました.この件数は想定内ですので一安心です.

  ところで応募期間は2ヶ月あったのですが,実際のところ応募者にとっては,応募期間の長さは関係なく,〆切日だけが重要であるという,きわめて当然な応募状況でした.しかしこれは主催者側にとっては,あまり精神的に良いことではありませんでした.本稿も含めて〆切破りの常習犯である私が言うのもなんですが,立場変われば......ですね.

 

6.企業様からのご支援

  夢コンの経費は,部門からの特定事業資金と本部からの機械工学振興事業資金でまかなわれています.しかしそれだけでは参加者の製作費や旅費を補助するには不十分なので,本コンテストの趣旨にご賛同いただける企業から,一口5万円の援助をいただいております.例年,6〜8の企業様にご援助いただいておりました.第8回は札幌開催ということもあり,旅費の補助が増加することが予想されたので,新しくご賛同いただける企業様の新規開拓を試みました.方法は,機械学会と関連の深い企業に,直接手紙で支援のお願いをするという正攻法をとりました.しかし結果は,「弊社はすでに機械学会に応分の支援をしており,また特定の部門だけに援助することは,他の部門に対するバランスの問題からも難しいことです」,「弊社内には様々な社会活動等を支援する制度はあるのですが,今回ご連絡いただいた催しに当てはまる支援項目は残念ながらございません」などなど,散々でした.結局,正攻法でアタックしたものはすべてだめでした.企業からご支援をいただく難しさを痛感いたしました.最終的には,私の学生時代の先輩が役員を務めている会社と,実行委員の先生から共同研究をされている企業を紹介していただいて,やっと3件の新規開拓ができました.やはり何らかのコネがなければ,難しいことを身にしみてわかりました.一方,例年ご支援いただいている企業5社からは,第8回もご支援いただけることになりました.どの企業様も,ご支援いただくに当たって,社内での厳しい予算要求を通してくださっております.このように継続的にご支援下さっている企業様には,心から感謝申しあげる気持ちで一杯です.

 

7.表彰式と懇親会の単独開催はいかが?

  夢コンは,部門講演会に合わせて同一会場で開催されるのが常でした.しかし2008年は日韓熱流体工学会議があるため部門講演会は開催されず,第8回の夢コンはこの日韓熱流体工学会議に合わせて開催されました.通常,夢コンの表彰式は,入賞者を部門講演会の懇親会に招待し,その中で行われてきました.しかし第8回では,その懇親会は存在しません.夢コン表彰式を日韓熱流体工学会議のバンケットの中で行うという案もありましたが,そもそもこの会議は熱工学部門との合同開催であり,また韓国からの参加者も多く,会場の一部をお借りすること以外,夢コンの行事そのものをこの会議に割り込ませることは難しいと判断しました.そこで第8回では,夢コン独自に表彰式と懇親会を開催することにいたしました.この方式は,通常よりも費用と手間がかかりますが,部門懇親会の中で行うよりも結果的にはこの方が良かったと思っています.部門懇親会の中で夢コンの表彰式を行うメリットは,(1)多くの学会員の前で表彰されるので名誉である,(2)夢コンに興味の無い人にも夢コン活動をアピールできる,という点にあると思います.一方,夢コン独自に表彰式&懇親会を開催するメリットは,(1)入賞するしないに関わらず,夢コン関係者全員が参加できる(部門懇親会で行う場合は入賞した各グループから1名しか招待されない)ので,夢コン参加者全員で健闘を讃え,打ち上げ的な気分(大きな達成感)が得られる,(2)入賞者のスピーチなど,夢コン独自の式進行ができる,(3)他校との親睦を深めることができる,などです.特に他校との親睦を深める機会は,部門懇親会の中で表彰式を行っても,なかなか得られるものではないと思います.今後の夢コンでも,ご検討いただけると幸いです.

 

8.初出場初優勝!

  始めに述べたように,第7回まで私は学生に本コンテストの出場を勧めたことはありませんでした.しかし第8回の実行委員長を務めることになった手前,学生にこのコンテストの出場を勧めることは必然でした.幸い学生達は面白がって取り組んでくれました.私自身は実行委員長としての仕事がありましたので,学生の取り組みには,一切口を挟むことはありませんでした.実際の所,具体的なアイデアの説明を受け,その装置を見たのは,コンテスト開催の数日前が初めてでした.私の予想以上に良くできた装置だったので,一安心しました.

  夢コンの審査は,コンテスト当日に見学に来た人たちに審査用紙を配布し,投票によって行っています.ただしこの見学者には一般市民も含まれており,また会場の地元の見学者が必然的に多くなるため,地元の参加チームが若干有利になる可能性もあります.第8回ではその点も考慮し,2段階で審査しました.すなわち,来場者の投票によって上位3作品を選考し,次に専門委員会で流体工学的見地から,この3作品の中で最も驚きと感動を与えた作品をNo.1といたしました.一段階目の選考では,私の学生チームである北見工大の作品が,かろうじて上位3作品に入りました.内心「よくやった」と喜びましたが,実行委員長の立場であるため,私自身は審査委員会の司会を淡々と進めるだけでした.次に専門委員会の中で,この上位3作品に選ばれた大学関係者を除く委員に最終投票をしてもらいました.一斉に開票した結果,すべて「北見工大」と書かれており,私としては喜びよりも戸惑いの方が大きく,一瞬「エッ」と発声し,「どうしよう」という気持ちの方が先でした.実行委員長の大学がNo.1に選ばれるのは,何か気まずい感じもしましたが,審査自体は公平に行ったつもりですので,ここは素直に喜ぶことにしました.

  せっかくの機会ですので,その作品を簡単に紹介させていただきたいと思います.タイトルは「はく離を学ぶとウキウキしてくる」です.これは垂直に立てかけた透明アクリルパイプの中をブロアーによって風が上から下向きに流れており,そのパイプの中に円盤等の薄い平板を流れに垂直に設置します.すると,平板の下流側に逆流を含む低圧なはく離領域ができ,そこにピンポン球のような軽い球状物体を置くと,圧力勾配と逆流によってピンポン球は平板と一定の距離を保つように静止します.ここで平板をパイプの中で上下に移動させると,ピンポン球も平板を追うように移動します.体験者は手で平板を支えており,したがって平板に働く下向きの抗力を手に感じているのですが,平板の後ろにあるピンポン球は,流れや重力に逆らって平板の後方を追いかけますので,不思議な感覚が得られます.見学者にこの不思議な感覚を自ら体験してもらったことが,高い評価になったのかもしれません.また見てくれにこだわり,例えばアクリルの切断面なども透明になるまで磨くなど,細かいことに手間を惜しまなかったことも勝因の一つかもしれません.我々はこの初参加初優勝によって,夢コンの必勝ポイントを習得しました.それは,(1)見学者には体験的に楽しんでもらうこと,(2)手間を惜しまず細部にまでこだわり,少しでも見てくれをよくすること,です.


「はく離を学ぶとウキウキしてくる(2008)」

 

9.連覇達成!!

  2009年の第9回は,参加する必然性はもちろんありませんでしたので,参加するかどうかは学生次第でした.しかも第8回に参加した学生はすべて卒業してしまったので,新しい学生達は「前年度に表彰された」という事実を教職員から聞かされるだけでした.それでも前年度の実績は重く,学生達も自然と連覇する気持ちが涌いてきたようです.私も「ホーム(札幌)の昨年は勝っても自慢にならない.アウェー(名古屋)で勝って初めて本物だ.」といってその気にさせました.しかし私自身はさすがに連覇は無理だろうと思っていました.コンテスト当日,私は部門講演会の方を聴講するのが忙しく,夢コンにはあまり顔をだすことはできませんでした.したがって部門懇親会まで,夢コンの結果を知ることはできませんでした.部門懇親会では,突然学生が「先生,取っちゃいました」と言いながら興奮した様相で私の前に現れました.まさか,と思いましたが,見事No.1になったとのことでした.やはり前年度に習得した必勝ポイントがよかったのでしょうか.

  作品のタイトルは「なんだかんだでコアンダなんだ」です.このタイトルは,コンテスト直前まで内容がコロコロと変わり,なかなか一つに絞りきれなかった状況も表しています.この作品は,上向きに噴出する空気噴流の近くに薄いPET板を沿わせ,そのPET板は手で自由な曲率に曲げられるようになっています.PET板の先端には,ピンポン球が入る程度の筒が取り付けられています.PET板を適当な曲率で曲げると,コアンダ効果によって噴流は向きを変え,PET板に沿って曲げられます.ここで噴流中にピンポン球を挿入すると,そのピンポン球はコアンダ効果によって曲げられた噴流に乗って筒に押し込まれ,そして筒の先端から外部に発射されます.発射されたピンポン球の先には,バスケットボールのゴールを模したカゴがありますので,PET板の曲率を上手にコントロールして,ピンポン球をゴールに入れるゲーム仕様になっています.写真は連続発光するストロボ光源によって撮影されたものです。やはりこれも見学者自らが体験的に遊べるゲームに仕立てたのが良かったのかもしれません.またバスケットボールのコートを模したゴール周辺のデザインも細部までこだわっており,これも良かったのかもしれません.いずれにして必勝ポイントは必須です.


「なんだかんだでコアンダなんだ(2009)」

 

10.おごれるものは久しからず!

  二連覇を達成すると,当然三連覇も狙いたくなります.しかも2010年は,前年度参加した学生がすべて院に進学し,在学しています.その院生からのプレッシャーもあり,4年生が参加を決断しました.しかし今回もなかなか良いアイデアが浮かばなかったようで,コンテストの直前まで,すったもんだしていました.最終的には超撥水性塗料を使って水玉を作り,その水玉を使って遊ぶゲームでした.確かに見学者が体験的に遊べるゲーム仕様にはなっていましたが,装置自体は地味なデザインで,一抹の不安を感じました.そして結果は惨敗でした.やはり甘くはありません.作品の製作過程において,私は学生に若干のアドバイスをしていました.そのアドバイスは作品の本質的な所ではなく,ちょっとした見かけに関することでした.しかし最終作品を見てみると,私のアドバイスは反映されていませんでした.コンテストの後,そのアドバイスを反映させなかった理由を学生に聞いてみると,「めんどくさかったから」という答えが返ってきました.この返答を聞いて,やっぱり負けるべくして負けたなと思いました.このコンテストで「めんどくさい」は禁句です.手間を惜しまず細部までこだわらなくては入賞は難しいと改めて痛感いたしました.

 

11.おわりに

 第8回の実行委員長を務めるまで,夢コンの傍観者だった私が,今では夢コンのファンの一人になっています.参加した学生も,非常に良い経験ができたと喜んでいます.まだ一度も参加されたことの無い大学,高専の関係者の方は,是非一度挑戦してみてはいかがでしょうか.

更新日:2011.4.1