流れ 2007年12月号 目次
― 特集: 大気圧プラズマ流 ― I:低温プラズマ流 1-(1). 大気圧プラズマ流の研究動向と医療分野への展開 II:熱プラズマ流 1-(6). 水プラズマによる廃棄物処理プロセス ― ASME/JSME合同流体工学会議報告 ― 2. 第5回ASME/JSME合同流体工学会議報告 編集後記 | リンク一覧にもどる | |
第5回ASME/JSME合同流体工学会議報告
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去る2007年7月30日から8月2日までの4日間,San DiegoのSheraton San Diego Hotel & Marinaで,第5回ASME/JSME合同流体工学会議が開催された.JAXA/ISASの藤井孝藏先生と筆者が日本側共同議長(米国側議長はGeorge Papadopoulos)であったことから,筆者がこの報告を記すこととなった.
開催前日の7月29日(日)の夕方,ホテルの庭でレセプションが行われた.予定時刻頃,挨拶もなしで何となく始まり,思い思いに歓談し,暗くなった頃に自然散会というスタイルであったが,あちこちで旧交を温めあう光景が見られた.気楽で良かったと思う.
翌朝は,7時からAuthor’s Breakfastがあり,その日の各セッション・チェアと発表者が集まる中で,米国議長のGeorge Papadopoulosから会議概要についての説明があった.以後,4日間,毎朝,彼は,このAuthor’s Breakfastで1日のスターターを務めることになる.彼には今回の会議開催に際して大変お世話になった.様々な問題に対する彼の対応は素早く,会議全般において我々は大いに助かった.
会議参加者は,36カ国から約550名で,その内,日本からの参加者は約250名,韓国からも20名弱の参加者があった.会期中,特別講演3件,シンポジウム15件,フォーラム15件,パネル3件が企画された.その内には,基調講演15件も含まれる.いずれも,JSME,ASME双方から選出されたオーガナイザによって企画されたものである.会議は10室同時開催で行われ,講演発表件数460件に達した.
特別講演は,JSME推薦2件,ASME推薦1件の計3件で,JSME側からは,理研の姫野さんと慶応の菱田先生に,各々,"Japan's 10PetaFLOPS Supercomputer development project and grand challenges in CFD," と"Phase Separation Control and Combined Laser Sensing in a Microchannel",ASME側から Mark. A. Page (Swift Engineering)に "From Blended-Wings to Racecars and Back Again" と題した講演をお願いした.いずれの講演にも多くの聴衆が集まった.
7月31日(火)の午餐会では,開催地San Diegoに因んだ特別講演「スクリップス海洋研究所の紹介」があった.講演予定者が体調不良で代理者による講演であったが,スクリップス海洋研究所の興味ある活動を知ることができた.その後,ASME側の表彰式が行われた.
今年度のFluids Engineering Award受賞者(Prof. A.J.Smits)の講演では,Moody線図に関わる問題点が指摘され,ペタスケールのCFDによる粗面管内流れ計算に対する期待が述べられた."Gov’t funding trends in Japan and in the USA" と題したパネルでは,研究補助金に係わる日米の現状と問題点が紹介された.研究資金獲得に苦労しているのはいずれも同じという気がした.
会期中,San Diegoの気候はさわやかで,猛暑の日本が嘘のようだった.サンフランシスコやロスアンゼルスでの乗り継ぎ等の問題から講演者が間に合わない等の事態も発生したが,ASME側からプログラムのすき間に滑り込ませる措置が取ってもらえ,事なきを得た.共同議長の藤井先生に準備段階から様々な問題に手際よく対応して頂いたお蔭で,無事に会議を終了することができた.日本から多くの参加者を得ることができ,ASME側も大満足のようだった.本会議の開催にご尽力頂いた,部門関係者,オーガナイザの方々,ご参加頂いた全ての方々に感謝いたします.
▲午餐会の様子 | ▲発表風景 |
▲会場ホテルのオブジェ | ▲会場周辺の風景 |
▲サンディエゴの風景 |